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ならず者国家(1) [占畑書店]

先日、アマゾンで購入した古本、『ならず者国家』を読んでいる。
まだ全文は読みきれていないが、面白い部分を御紹介。
これを見れば、この本は買わなくて良いよ(笑)。美味しい部分を紹介していくから。
嘘。できれば、買って欲しいけど、そこまで本に金を使えない人も多いからね。
では。

引用始め----------
51P
経済が破綻しても、北朝鮮の監視システムは機能しつづけている。人々は食べ物を手に入れるためなら、友人を密告することさえ厭わないのだ。北朝鮮に戻った脱北者を待ち受けているのは、尋問、拷問、それに最短でも一年の強制労働だが、いったん収容所に送られれば生きて帰ってくることは難しい。多くは祖国を裏切った罪で銃殺刑になり、親類縁者も収容所に送られる。党は国外との接触をすべて反逆罪と見なしているが、外国人との結婚やキリスト教などの宗教グループとの接触によって外部と深い関係を結んだ者には、金正日に対する不忠という罪でとりわけ厳しい処分が下される。

54P
中国当局は北朝鮮と協力体制にあり、脱北者の逮捕を手助けするだけでなく、北朝鮮の工作員が中国で自由に活動することさえ黙認している。北朝鮮の工作員は中国で、脱北者とその協力者に対して殺人、脅迫、拉致などを実行していた。

引用者註
何故、中国は、北朝鮮にこれ程までに協力しているのか。「脱北者が増加して、中国の治安が乱れるから。また、北朝鮮の民主化運動が、中国の民主化運動に発展するのが怖いから」と思われる。

56P
かつてヨシフ・スターリンは言った。「一人の死は悲劇だが、一〇〇万人の死は統計値にすぎない」。罪のない少数の人がテロで死亡したら、それはトップニュースになる。また、ボスニアで起きたような一般市民の大量殺戮なども世界の人々の怒りを買い、外国の軍事介入を招くことがある。だが餓死の場合、同じ無辜の民の大量死であっても、それを招いた張本人は自然災害を言い訳にすれば非難を逃れられることが多い。現に、毛沢東が三〇〇〇万人の農民を餓死させたといって責める者はいない。
それに人は「餓死」と聞くと、生きるための努力が足りなかったせいではないかと思ってしまう。同じ状況で生き延びた者もいるからだ。脱北者たちでさえそんなことを口にした。しかし、これはとんでもない誤解である。北朝鮮やそれと同様の惨状にある国で大量に死んでいるのは、幼い子供や老人なのだ。飢饉は戦争よりはるかに恐ろしい。戦争が人々を共通の敵に向けて一致団結させるのに対し、空腹は人間の良心の泉に毒を注ぐ。兄弟姉妹が敵同士となり、母子の絆が引き裂かれ、社会の秩序が崩壊していくのだ。

58P
北朝鮮の「親愛なる指導者同志」金正日は、国内を許可なく移動する国民が増えたことを不満に思い、一九七七年九月二七日にある布告を出した。国内の「正常化」のため、そしておそらくホームレスの子供たちを国連職員の目に触れさせないようにするため、そうして子供たちを一掃し、布告日にちなんで名づけられた「九・二七収容所」へ送ることを地方当局に命じる内容だった。
(中略)
「九・二七収容所」から脱走してきたという彼女によると、そこには子供たちを密かに殺すための施設だということだった。
タグ:北朝鮮
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