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紅いカンボウチョウカン(1) [「シリーズ」日本人よ、何処へ行く]

またも産経新聞の面白い連載記事を発見したので紹介する。

【仙谷由人研究】(1)上
窮地に立つ“陰の総理” 因果はめぐる
産経新聞 2010/12/04 00:36 更新
 政権発足後半年にもかかわらず黄昏を迎えている菅政権にあって、独り仁王立ちしてきた官房長官の仙谷由人が今、刀折れ矢尽きようとしているかのようだ。
 3日の記者会見で、官房長官の職責を解かれ、法相に専念する可能性もあると示唆した結果、与野党から仙谷と菅政権への批判と不満が噴出したのだ。
 「彼は弁護士、クロをシロにする名人だから。まあ、冗談の中に本音があることもあるけど、(彼は)冗談で言ったんだよ」。
 国民新党代表の亀井静香は記者会見で「法相専念」発言の鎮火に努めた。仙谷自身も慌てて「すべては人事権者の意思だと一般論を言っただけだ」と強調したが、真意はともかく綸言(りんげん)汗のごとしだ。
 いったん口に出た言葉は当人の手を離れ、政治的な意味を持ち始める。ただでさえ参院で問責決議を受け、政権のブレーキともなっている仙谷に、民主党内の視線も冷たくなる。
 「一度問責を可決された閣僚にどのように対処すべきか、深刻に考える必要があろうかと思う」。
 前首相の鳩山由紀夫は3日、記者団にこう語った。民主党三役経験者も「仙谷と(国土交通相の)馬淵澄夫は問責決議が可決されても辞めていない。(前法相の)柳田稔が辞めた意味はなかったね」と指摘した。
 首相の菅直人と仙谷の「脱小沢」路線で、不遇をかこつ議員からは、来年の通常国会に向け、党人事・内閣改造による体制一新を求める声も強まっている。
 問責決議を可決した野党側は、当然のことながら仙谷続投は認めない姿勢だ。
 「仙谷残れば審議なし」(自民党参院政審会長の山本一太)。
 「続投とか法相専念というのは、問責の意思を正しくとらえていない」(公明党代表の山口那津男)。
 野党の強硬姿勢には、衆院で否決された不信任決議案は「官房長官・仙谷」の資質を問うたものだが、参院で可決された問責決議は「国務大臣・仙谷」を認めないとの意思を示したという背景がある。官房長官であろうと法相であろうと仙谷が出てくれば審議には応じられないというわけだ。
 自民党からは仙谷が官房長官のままでは、来年1月の通常国会の召集を決める「議院運営委員会の理事会も開けない」(国対委員長の逢沢一郎)との強硬論も出ている。
 今国会では、仙谷自身の外交上の迷走や国会での失言、暴言が審議の主要テーマとなった揚げ句、問責決議の可決となり、政策論議を妨げた。仙谷は3日の記者会見でその点を問われるとこう言い放った。
 「あなたがそうお考えになるんだったら、甘んじて受けておきます、はい」。
 問責決議には法的効力はない。だが、菅も平成10年に当時、防衛庁長官だった自民党の額賀福志郎が問責された際には「即刻罷免すべきだ」と主張していた。
 「もうちょっと自らの政権を客観化して判断なさると、あれだけ失言をし、理想を示さず、経済状態がこうであれば『しようがないな』と思いませんか」。
 これは平成12年11月の衆院予算委員会で、仙谷が首相の森喜朗に退陣を迫った際のセリフだ。因果はめぐり、自らに戻ってくる。
     ◇
 3日閉会した臨時国会の主役は菅でも民主党元代表の小沢一郎でもなく、紛れもなく仙谷だった。かつて全共闘運動に身を投じ、社会党から民主党へと転籍した仙谷は現実主義者なのか、社会主義の夢を引きずる左翼政治家なのか。「陰の首相」と呼ばれて権勢の絶頂に立ちながら、問責決議の可決で進退窮まった仙谷の幻影と実像を探った。=敬称略
タグ:政治
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