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朝鮮日報の記事(2) [政治や歴史の話]

先程の記事の続き。
下線部のあたりが特に印象に残った。

政治指導者らが過去の敵を非難して安っぽい拍手を得ることは難しくないが、こうした挑発は、発展ではなく麻痺を招く」という言葉は、我々もよく覚えておく必要がある。
例えば、過去に日本も戦禍を蒙ったことがある。これは事実ではあるが、殊更に、そのことを言挙げする人がいないのは、「ノーと言えない日本人」という性質もあるだろうが(笑)、「国と国との関係は、あまり相手の悪事を蒸し返さない方が懸命である」という考えが根底にあるからだと思う。

自国の政治家が、殊更に、「政治指導者らが過去の敵を非難して安っぽい拍手を得る」行為は、窘めなくてはならない。これでは、日本を殊更に批判する某国(=亡国)の指導者と同種となろう。

スタインバーグ氏が、「米国が過去史問題で日本に十分な圧力を加えていない」という指摘に対しても「圧力は敵に対して加えるものであって、同盟国に対しては加えられない。仮に圧力を加えるとしても、それが生産的・効果的だとは思わない」と答えている。
これは、特にスタインバーグ氏が親日的という訳ではなく、「歴史を政治利用した時には、時には、ブーメランのように、別の歴史カードで、自らが攻撃される可能性がある」ことを悟っているからであろう。

引用開始
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米国の北東アジア専門家3人が見た日米同盟と韓日関係
記事入力 : 2015/04/30 04:59

【インタビュー】ブルース・ベネット氏=ランド研究所シニア防衛アナリスト
「陸自の規模は15万人、韓国の3分の1」/それでも生ずる周辺国の懸念は、信頼不足の傍証
日米新ガイドラインで北朝鮮の核の脅威を減らすことも可能

米識者「陸自の人数が韓国の3分の1でも心配というのは」
 「東アジアでは、日米軍事同盟の強化に対する懸念が高まっている。日本が第2次世界大戦当時のように、軍国主義の道を歩むと心配しているのだ。そういう人々に、こんな質問をしたい。日本の陸上自衛隊の人数は何万人か。15万人だ。韓国の3分の1にしかならない」。
 米国防総省の傘下にある安全保障シンクタンク「ランド研究所」の軍事専門家、ブルース・ベネット・シニア防衛アナリスト(写真)は、27日に締結された日米新ガイドライン(日米防衛協力の指針)が東アジア地域に及ぼす影響について、このように語り始めた。
 ベネット博士によると、ガイドライン改正で日本が手にする集団的自衛権は「防衛」だけが目的であって、侵略の為のものではない。また、日本の軍事力が、かつてのように無分別に成長するとも想像し難い。日本経済が今後も停滞から脱出できない場合、軍事に巨額の予算を投じることはできない。一方、経済がよみがえっても、第2次世界大戦当時のように若者を大勢徴集するのは難しい。経済活性化のため、若い人材を産業部門に配置しなければならないからだ。
 「それでも日本の行方を心配する人が多いということは、日本が周辺国との『信頼形成』を急がねばならないことを示している」。
 ベネット博士は、米日がガイドラインを改正した理由の一つとして、まだ解決できていない北朝鮮の核問題を挙げた。最近中国は、北朝鮮が推定20発の核弾頭を保有している、と発表した。米国政府がかつて発表した推定値(10発前後)をはるかに上回る数値だ。ベネット博士は「核弾頭の数もそうだが、北朝鮮が核を使用するかどうか、誰も確信を持って答えることはできない。しかし北朝鮮の核の脅威が現実化した場合、被害は想像を越えるものになるだろう」と語った。
 そういう意味から、ガイドライン改正は、増大する北朝鮮の軍事的脅威を多少なりとも減らすことができる、というのがベネット博士の説明だ。北朝鮮が米国に向けて弾道ミサイルを発射した場合、日本は常時モニタリングシステムでミサイル発射を感知した後、海上自衛隊のイージス艦が搭載しているSM3ミサイルで迎撃できるようになった。北朝鮮が暴走する余地が少なくなる、という解釈が可能だ。ならば韓国政府は、どのように備えるべきなのか。
 「韓国には米軍2万8000人が駐屯しており、有事の際にはその数倍にもなる兵力・装備が、日本を経由して韓半島(朝鮮半島)に投入される。かつて日本は北朝鮮のミサイルを意識して、そうした危険負担をしようとしなかったが、今ではそれを甘受するようになった。一方韓国では、米軍の支援兵力が使用する飛行場や港湾が不足している。日米ガイドラインの発効を控え、韓国政府は、今後十分な兵力受け入れ空間の確保に努めるべきだと考えている」。

米国の北東アジア専門家3人が見た日米同盟と韓日関係
【インタビュー】ジェームズ・スタインバーグ氏=元国務副長官
「韓日間の歴史関係は重要だが、だからといって過去史を誤用してはならない」
日本は米国の敵ではなく、同盟国/過去史問題で圧迫はせず

米識者「歴史は重要だが圧力は敵に加えるものでは?」
 オバマ政権のアジア政策を立案したジェームズ・スタインバーグ元国務副長官(写真)は28日、韓日関係について、「歴史問題は重要で、米国もこれを重視しているが、同時に歴史の誤用に対する他の国々の懸念も理解すべき」と語った。スタインバーグ元国務副長官は、28日の記者会見で「(韓日関係において)重要なのは、両国が相手の直面している問題を理解してやること」という趣旨の発言を行った。
 この発言をめぐり、外交関係者の間からは「今年2月のウェンディ・シャーマン国務次官の発言を思い起こさせる」という指摘が出た。シャーマン国務次官(政務担当)は今年2月27日、あるセミナーの基調講演で「政治指導者らが過去の敵を非難して安っぽい拍手を得ることは難しくないが、こうした挑発は、発展ではなく麻痺を招く」と発言した。名指しはしていないが、韓国または中国を念頭に置いた発言と解釈された。
 シラキュース大学マックスウェル・スクールの学長を務めているスタインバーグ元国務副長官は、「米国が過去史問題で日本に十分な圧力を加えていない」という指摘に対しても「圧力は敵に対して加えるものであって、同盟国に対しては加えられない。仮に圧力を加えるとしても、それが生産的・効果的だとは思わない」、「米国の役割は、韓日間の意見の違いを解決することではなく、さらなるコミュニケーションにより、お互いが両国の懸念を理解できるよう奨励すること」と語った。
 またスタイバーグ元国務副長官は、安倍首相が今年8月に発表するとみられる「安倍談話」に「侵略」や「謝罪」という文言を含めるべき、という指摘について「他の国々の懸念を理解している、と示すやり方を模索するのが肝心で、それを表現する方法は、異なることがあり得る。『具体的な用語として何を使うべきか』は、別に重要ではない」と語った。
 さらにスタインバーグ元国務副長官は、安倍首相が従軍慰安婦問題と関連して使用している「人身売買(human trafficking)」という表現についても「『trafficking』と英訳されている日本語のニュアンスが何なのか理解することに時間をかけ過ぎるのは問題。ニュアンスの把握に集中しすぎず、未来に向かって進展し得る和解の余地があるかどうかの方を考慮すべき」と指摘した。安倍首相は、人身売買の主語を意図的に省略し、慰安婦を強制動員した旧日本軍の責任を否定しようというねらいを露わにしている、という指摘を受けてきた。
 このほか、スタインバーグ元国務副長官は「過去70年間、第2次世界大戦が終わってから、日本はアジア・太平洋地域などで建設的な役割を果たしてきたと考えている。自負に値するもの」とも語った。
タグ:政治
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