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朝日新聞の論法(1) [政治や歴史の話]

最近、朝日新聞の誤報問題について、様々な書籍が発売されている。
金銭の都合上、全部を購入はできないので、一冊、『宝島2014年11月号』を購入してみた。
この4ページから、9ページまで、朝日新聞に否定的な作家、門田隆将氏と、朝日新聞OBの山田厚史氏が載っていた。
当然、山田氏は、朝日新聞にそれ程批判できる筈もなく、朝日新聞擁護論を展開しているが、「これが朝日新聞の本質」と言える内容なので、皆様にも御紹介したい。

山田氏:「私は朝日新聞がどういう判断で、どういう議論があっていま検証記事を出すことになったのか、明確には知りません。ただ仄聞するところによれば、この吉田証言がかなりいい加減なものであったという認識は朝日のなかでも以前からあって、いつか決着をつけなければならない問題として存在していたことは確かでしょう。そのまま頬かむりしようとする意見もあったなかで、あえて検証記事を出したことは『英断』だったと思います。ただその決意が紙面から見えてこなかったし、なぜこれまで正すことができなかったのか、読者の疑問に正面から答えたものではなかった。また、この問題を批判したジャーナリストの池上さんのコラムをボツにしたのは、言い訳のできない判断の誤りだったと思います」。

「明確には知りません」ではなく、山田氏は知りたくなかったのである(笑)。
「この吉田証言がかなりいい加減なものであったという認識は朝日のなかでも以前からあって、いつか決着をつけなければならない問題として存在していたことは確かでしょう」って、こんな放置プレー、報道機関としてアリなの(笑)。
「読者の疑問」じゃなく、国民の疑問に正面から答えたものではなかったから、朝日新聞が批判されていることに、朝日新聞は気づいていない。
池上氏のコラムをボツにしたことは、瑣末的なことである。国民の疑問に正面から答えたものではなかったことが本質だと小生は考えている。


門田氏:「今回の木村社長の判断は果たして『英断』になるんでしょうか。1997年の時点で今回のことがわかっていたはずなのに、なぜここまで時間が経過してしまったのかという気がしてなりませんが」。
山田氏:「英断と言ったって、世間の尺度からすればもちろん不十分ですよ。これまでに記事を掲載する機会があったわけですから。
強制連行の問題は議論の歴史があります。済州島のケースはなかったと思います。ただその後日本では10件の従軍慰安婦訴訟が起きていて、そのうち8件では、賠償責任こそ認められなかったものの、戦時下の女性に対する強制的な性被害は司法によっても事実認定されているわけです。それは何も朝日新聞が報じたことではなくて、時の政府が調査したことです。こうした過酷な状況は吉田証言と無関係に、あったと考えるべきでしょう」。

これが、朝日新聞だけではなく、慰安婦問題で、日本を攻撃する、日本を批判する連中の論法である。
「済州島ではなかったよ。でも他には有ったから、朝日新聞はそんなに間違ってない」という訳だ。


門田氏:「それは戦時一般の話であって、私がいま問題にしているのは朝日新聞が書き続けた朝鮮人慰安婦の強制連行についてなんですよ。強制連行というのは先ほど申し上げた拉致・監禁・強姦であって、それを朝日新聞は事実であると言い続けた。しかし朝日新聞はある時期から『広義の強制性』ということを言い始めた。それではいままで『挺身隊』の名のもとに8万人から20万人ともいわれる朝鮮人女性たちが強制的に戦場に連行されたと朝日が書いてきたのはなんだったのかということなんです。様々な事情で身を売った薄幸な女性たちがいたことと、日本という国家が組織的に彼女たちを拉致・監禁・強姦したということはまったく違います。今になって『広義の強制性はあった』と問題をすり替えるのは許されません」。
山田氏:「検証記事の不十分さについては異論がありません。ただ今回朝日が記事を取り消したことで、政府が河野談話を取り消して、新しい談話を出すとか、アメリカをはじめ国際社会に対し、河野談話を否定するような主張ができますか。そういう話になると途端に腰が砕けてしまうわけでしょう。吉田証言がクマラスワミ報告書に影響を与えたならば、河野談話の見直しということになってもおかしくないが日本政府ができない。日本が反省すべきことを行った歴史の事実は消せません」。

「ただ今回が」の部分が、山田氏や朝日新聞のイイタイトコロなのだと思う。
「検証記事は不十分だけど、日本が悪いことをしたのは事実でしょ」という訳だ。
「朝日新聞が反省すべきことを行った歴史の事実は消せません」と小生は思うけどね。
長文なので、続きは第二部で。
タグ:政治
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