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最高の日韓関係(5) [政治や歴史の話]

日本を日本海から追い出す
―文在寅政権下ならではの事件というわけですね。
鈴置:そうです。しかし今後は大統領が誰であろうと、こういう事件が起きる可能性が高い。なぜなら韓国は日本海を自らの海としたくなったからです。
 日本海にはメタンハイドレードが大量に眠っていて、日本が自らのEEZ内で採取し始めたのが悔しくて仕方ない。
 また、韓国海軍は2020年からミサイル発射型の潜水艦を配備しますが、その「巣」としても日本海は重要です。黄海は浅くて潜水艦の運用は難しいし、そもそも中国が海上優勢――昔の言葉で言えば制海権を維持している。
 韓国とすれば明治以来、日本海で羽振りをきかせてきた日本を追い出したい。11月20日にも、韓国の海洋警察の警備艦が日本のEEZ内で日本の漁船に操業中止を命令した事件が発生しています。
 だからレーダー事件を「現場の跳ね上がり」と見過ごす訳にはいかないのです。火器管制レーダーを照射された日本の自衛隊機は退避せざるを得ない。それを繰り返していけば、日本のEEZもその空域も韓国が支配できるのです。

相次ぐ「愛国事業」
―そんなに簡単にいくでしょうか。
鈴置:放っておけば、これが「初めの一歩」になります。「韓国の『対日挑発日誌』」をご覧下さい。2018年10月以降だけでも、これだけ日本を挑発しています。ただ、それらは韓国から見れば、日本との関係を見直し、権利を拡大する「愛国事業」なのです。
 日本企業に対し、戦時中の朝鮮人労働者に慰謝料を支払えと韓国の裁判所が相次ぎ判決を出したのもそうです。日韓国交正常化の際に結んだ基本条約を否認するものです(「『言うだけ番長』文在寅の仮面を剥がせ」参照、記事下の【関連記事】からお読みいただけます)。
 「和解・癒し財団」解散も、日本との慰安婦合意を反故にする狙いです。文在寅政権のこうした動きに対し、保守派からもさほど批判はあがらない。
 日本との関係が悪化し更には米国との同盟が揺れると懸念する向きは一部にある。しかし敢えて約束を破り、日本を従わせる「愛国事業」である以上、保守も文句はつけにくいのです。

●核武装に必須の日本海
―韓国の保守系紙がレーダー事件で自らの政府を批判しないのも……。
鈴置:「愛国」の部分もあると思います。日本のEEZを韓国がコントロールできるようになれば、国益が大きく増進します。
 そもそも2020年以降、毎年1隻ずつ配備するミサイル潜水艦だって「韓国の核」の一環として保守政権が始めた事業なのです(『米韓同盟消滅』第1章第4節「『民族の核』に心躍らせる韓国人」参照)。
 文在寅政権の「南北共同の核」の為の配備とは主体が異なりますが、核武装に必須の第2撃能力を持つという点では同じです。その「巣」作りには、保守だろうが左派だろうが、韓国人なら賛成しておかしくないのです。

鈴置高史
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最高の日韓関係(4) [政治や歴史の話]

漁船救助に駆逐艦が出動したって?
 趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコムを舞台に、ファンド・ビルダーのペンネームで外交・安保を縦横に論じる識者もこの点に首を傾げました。
 「海軍『火器管制レーダー照射』に関する疑問点」(12月24日、韓国語)です。その部分を抄訳します。
・韓国政府とメディアは「広開土大王」が北朝鮮の漁船救助活動に出動したことを既成事実化しているが、本当だろうか。北朝鮮の警備艇がエンジン故障で漂流していたのなら、重大性を考慮して駆逐艦が出動するのは理解できる。しかし小さな漁船が漂流して駆逐艦が動員されたとの説明は理解し難い。
・海洋警察が傍にいなかったというならまだ分かるのだが。敢えて海軍が出なければならない状況だとしても、機動力の良い高速艇が出るのが正常である。
 ファンド・ビルダー氏はもう1つ「位置」に関しても疑問を呈しました。これも要約しつつ訳します。
・各紙の報道によると、漂流した北朝鮮の漁船の位置は大和碓の北西だった。一方、日本の哨戒機はかなり離れた日本のEEZ上空を飛んでいた。「広開土大王」はその中間にいた。
・漁船とは真反対の位置にいた日本の哨戒機に火器管制レーダーを照射したことになる。だとすると照射時間はどんなに長くても数秒のはずだが、なぜ数分間に至ったのか。この事件は「漁船の救助」を名分に言い逃れできる事案ではない。

●文在寅なら怒らない
―結局、レーダー照射の意図は何だったのでしょうか?
鈴置:安全保障の専門家も韓国の専門家も、現場による嫌がらせと見る向きが多い。「広開土大王」の艦長かレーダー担当兵が、上部の指令なしに跳ね上がって犯行に及んだとの見方です。
 韓国では「日本には何をやっても良い」という風潮があります。殊に21世紀に入り韓国が日本を見下すようになってからはそれが強まった(『米韓同盟消滅』第3章「中二病にかかった韓国人」参照)。
 韓国海軍にしても「旭日旗を掲げるなら国際観艦式に来るな」と言ってみたら、日本は碌な抗議もせずに引き下がった。竹島で演習しても抗議するだけ。これなら「射撃管制レーダーで脅して追い払ってやれ」と考える艦長や兵が出てくるのは当然です。

―文在寅(ムン・ジェイン)大統領の指示はなかった?
鈴置:それは分かりません。ただ、上からの直接の支持はなかったとしても、犯行は大統領に大いに関係します。現場がレーダー照射により日本との関係を悪化させても、日本との対決姿勢を明確にする文在寅政権なら処罰しないと誰もが考えるからです。
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最高の日韓関係(3) [政治や歴史の話]

青瓦台より日本メディアを信頼
―「言い訳」を180度変えたことに関し、韓国メディアはどう書いたのですか?
鈴置:無視することにしたようです。その可笑しさに触れた大手メディアの記事は見当たりません。
 勿論韓国の記者もバカではありませんから「あれっ」と思ったでしょう。読者の書き込み欄を見ると、政府の説明を信じ「日本機を撃墜すべきだった」という反応がある半面、「政府は見苦しい言い訳はもうやめろ」といったものがあります。
 例えば12月24日の国防省の「火器管制レーダーの照射は一切なかった」との発表を報じた朝鮮日報の記事「軍『日本の哨戒機を追跡すべくレーダーを運用したことはない』」(12月24日、韓国語版)の書き込みには以下があります。
・言い訳丸出しの言い訳は国の威信を貶める。左派の乗組員が戦争ゲームをしたのだ。青瓦台(大統領府)のゴミ共より日本のメディアの方が信用できるなんて。
・一日ごとに新しい説明を作り出す国防部の言葉通りなら、結局、火器管制レーダーは北朝鮮の漁船救助作業とは関係なく、日本の哨戒機を照射したことを認めたのだ。カメラの電源を入れれば火器管制レーダーも一緒に回ることを知っていながら稼働したということは、日本の哨戒機がレーダーに照射されようと関係ないという未必の故意があったということだ。
 いずれも、韓国政府が信じられなくなったが故の書き込みです。そりゃそうです。「照射した」が突然「照射しなかった」との説明に変わったのですから。

●突っぱねれば日本は引っ込む
―だったら何故、韓国紙はその変節を指摘しないのでしょうか。
鈴置:初めの段階で「韓国政府の説明が正しい」との前提で社説を書いてしまったからでしょう。勿論政府の言い訳が180度変わったことを基に、社説を軌道修正する手はあります。
 ただ、「我が海軍は北の漁船を救け、それを日本機が邪魔しようとしたのだ。火器管制レーダーを使ったとしても、正当防衛だ」と信じている人も多い。
 今になって記事を修正して政府批判すれば「国家反逆新聞」の烙印を押されかねない。メディアとすれば、この問題が収束するのを待つ方が良いのです。
 根っこには「突っ張っておけば日本は諦めて引っ込む」との判断があります。これまで日本は韓国の滅茶苦茶な行動に怒って見せても、さしたる報復はしなかった。だから今度も、適当なことを言ってうっちゃっておけばいい、という訳です。

―ところで北朝鮮の漁船を助けたというのは本当ですか?
鈴置:レーダー照射した韓国の駆逐艦が救助したのではありません。海洋警察の警備艦が助けたのです。海軍の駆逐艦も一緒になってレーダーで捜索し実際には、警備艦が救ったと発表されています。
 もっとも、北朝鮮の漁船を助ける為にわざわざ駆逐艦が出動したというには不自然です。遭難海域に海洋警察の警備艦がいたのですから。
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最高の日韓関係(2) [政治や歴史の話]

「現場の嫌がらせ」では済まないレーダー事件
くるりと言い訳を翻した韓国
鈴置高史 2018年12月27日(木)日経ビジネスオンライン

自衛隊機へのレーダー照射事件で、韓国が説明を変える。「遭難漁船を救助中だった」との説明にも疑問符が付く。

●攻撃直前の行為
―韓国の駆逐艦が日本の哨戒機に対し「攻撃寸前の態勢」をとりました。
鈴置:防衛省の発表によると12月20日、海上自衛隊の哨戒機P1が日本海の日本のEEZ(経済的排他水域)を飛行中に、韓国海軍の駆逐艦、広開土大王(クァンゲト・デワン)から火器管制レーダーの照射を受けました。
 弾の入った銃を他人に向けたのも同然で、平時にはあり得ない行動です。岩屋毅防衛相は12月21日「攻撃直前の行為だ。不測の事態を招きかねない。韓国は説明すべきだ」と語りました。
 共同通信の「レーダー照射『攻撃直前の行為』と防衛相」(12月21日)などが報じました。

●否認に転じた韓国
―韓国政府は事件を否認しています。
鈴置:初めは堂々と認めた上「大した話ではない」と言っていました。それが日本政府に追い詰められると説明を変え「レーダーを照射したことはない」と言い出したのです。
 12月22日までは韓国メディアに対し火器管制レーダーを使ったが、日本の哨戒機を狙ったものではなかったと説明していました。
 ところが12月22日に防衛省が「火器管制レーダーは捜索には使わない」と指摘。さらには日本のメディアが「レーダー照射は複数回で一定時間続いた」「火器管制レーダーは哨戒機を向いていた」などと意図的なレーダー使用の可能性が高いと報じた。
 そこで12月24日、国防部は「照射」自体がなかったと言い出したのです。「追跡レーダーの光学カメラで日本機を追跡したが、電波は一切出さなかった」との説明に変えたのです。

日本に逆ねじを食らわす
―なぜ、言い訳を180度変えたのでしょうか。
鈴置:初めは「日本の哨戒機に照準を合わせたものではなかった」と言い張れば、見逃してもらえると考えたのでしょう。しかし日本は強硬で、土曜日の12月22日にも防衛省が「韓国の嘘」と発表して追い打ちをかけるなど、追及の手を緩めなかった。
 出る所に出れば、韓国は国際的な非難を浴びます。なぜなら火器管制レーダーの照準を当てることは、軍事衝突を避けるための海洋衝突回避規範(CUES=Code for Unplanned Encounters at Sea)に明確に違反するからです。
 そこで国防部は「照射せず」と言ったと思われます。12月24日に「日本の哨戒機こそが我が方の駆逐艦の上を低空で飛ぶなど、危険な行為に及んだ」と言ったのも「CUES違反は日本側だ」と逆襲するつもりだったのでしょう。
 外交部も助太刀に出ました。日韓の外務省は12月24日にはソウルで局長級会議を開いたのですが、韓国側は「事実関係の明確な確認なしに自分達の立場を主張した」と日本を非難しました。ここでも逆ねじを食わせたのです。
 聯合ニュースは「外交部、『レーダー騒ぎ』で日本に遺憾を表明…事実確認なしに発表」(12月24日、韓国語版)の見出しで報じました。
 そこで12月25日、日本の防衛省が「火器管制レーダー特有の電波を一定時間、複数受けたことを確認した」と発表したのです。要は「証拠はある。日本が公開したら恥をかくぞ」と警告したのです。
 韓国が言い出した「日本の危険な飛行」に関しても防衛省は否定しました。

●人命救助に文句を言うな
―韓国紙はどう報じているのですか?
鈴置:左派系紙も保守系紙も韓国政府の言い分が正しいとの前提で書いています。そのうえで「難癖をつけてきた」日本を非難したのです。
 左派系紙、ハンギョレの社説「日本、“レーダー事件”外交争点化を意図…韓日外交会議時も抗議」(12月23日、日本語版)の結論は以下です。
・韓国軍が故意に狙ったものではないと説明し、実際に北朝鮮船舶を救助したのに日本側がこれを争点化するのは、最近の韓日関係のためと見られる。
・韓国最高裁(大法院)の強制徴用賠償判決に反発する日本が“レーダー事件”をカードとして活用しようとする意図が窺える。

 保守系紙の朝鮮日報も同様でした。「最悪の韓日関係が見せた『レーダー騒ぎ』」(12月24日、韓国語版)のポイントを翻訳します。
・当時漂流していた北朝鮮の漁船が我が軍に救助されたことなどを見るに、海軍が日本の哨戒機を意図的に狙った可能性はまずない。
・友好国の間であれば問題になるようなことではない。というのに日本は「あり得ないこと」と抗議した。

 保守系紙の東亜日報の社説も「騒ぎ過ぎ」と日本を批判しました。「韓日のレーダー騒ぎ、事を大きくせず外交的に解決するべきだ」(12月24日、日本語版)からその部分を引用します。
・故意性なく船舶救助の作戦中に起こったという説明にもかかわらず、日本政府とメディアが韓国海軍にまるで「他意」があったように追及することは度を越した反応だ。
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最高の日韓関係(1) [政治や歴史の話]

日韓基本条約後、53年も経っているのに、未だに仲良くできない国は、一生仲良くできないよ。

未来志向一転、悪化の一途=日韓慰安婦合意から3年
12/28(金) 7:11配信 時事通信
 慰安婦問題をめぐる2015年の日韓両政府合意から、28日で3年。
 両国は「未来志向の新時代」に向けてスタートを切った筈だったが、韓国側が合意を反故にするような動きを見せるなど最近は問題が頻発している。関係は悪化の一途を辿っており、正常化への道筋は見えていない。
 合意は2015年12月28日、当時の朴槿恵政権との間で交わされ、慰安婦問題の「最終的・不可逆的な解決」が盛り込まれた。しかし、朴政権から交代した文在寅政権は17年12月、合意に批判的な検証結果を公表した。
 更に今年1月に入ると、合意に基づき元慰安婦らを支援してきた「和解・癒やし財団」の解散方針を打ち出し、11月には財団解散を一方的に発表。合意を堅持するよう求める日本側に対し、韓国側から具体的な措置は示されていない。
 韓国側の「変調」はこれにとどまらない。10月には、韓国が国際観艦式で自衛艦への旭日旗掲揚を自粛するよう要求。海上自衛隊が参加を見送る事態に発展した。
 この後も、韓国最高裁が日本企業に元徴用工らへの賠償を命じ、韓国海軍駆逐艦は自衛隊機に対し、不測の事態を招きかねない火器管制レーダーを照射。今や日韓間には問題が積み重なっている状況で、日本政府関係者は「両国関係は合意以前の状態に戻った」と指摘する。
 実際、冷え込んだ両国関係を象徴するように、安倍晋三首相は11月にシンガポールで開かれた国際会議の際、文大統領と会談せず、挨拶程度の立ち話をするにとどまった。
 韓国側も慰安婦問題で前向きな姿勢を見せておらず、徴用工判決への対応を巡っても年内の結論は難しい情勢だ。日韓は懸案を抱えたまま年を越す。
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川島永嗣の真実(3) [サッカーダイジェスト]

「イタリアに秘訣があるとすれば優秀なGKコーチがたくさんいるということ」
 イタリアはGK大国。ブッフォンは代表引退を表明したが、マッティア・ペリンやジャンルイージ・ドンナルンマなど、脈々と受け継がれている伝統を継ぐものは今後も出続けていくだろう。日本がGK大国になる為には何が必要なのだろうか? 2人にはその点についても尋ねてみた。

 マルケジャーニ:「それについては、一朝一夕で解決出来るものではない。時間と忍耐が必要。まずは指導者が育ってこないと。そして彼らから選手がみっちり子供の頃から、日々進化していく守護神の技術を教え込まれて行かないと。暫く経って、成果が出てくる話だと思う。イタリアに秘訣があるとすれば、その部分。優秀なGKコーチが沢山いるということ。あのブッフォンもパルマからユーヴェに移って更なる成長を果たした。その影にはGKコーチのクラウディオ・フィリッピの力があったことは言うまでもない。まずは、『良い導き手』を作り出すことだ。つまり、『近道はない』ということ」
 アメーリアもまた同様の意見を持っていた。
イタリアには確かに多くの優秀なGKコーチがいる。一つ提案なんだが、日本のクラブは、彼らの内の何人かを雇ってみたらどうだろう? あるいは、若いコーチをイタリアに派遣して勉強させても良い。同時に優秀なGKは、レギュラーを失うリスクを恐れずに、積極的に欧州の主要リーグ(例えばプレミアリーグ、セリエAなど)で自分の力を試してみることだろう。そして引退後は、そこで得た経験を後進に伝えていく。それを繰り返していくしかない」

「ぜひ4年後のカタール大会まで頑張って欲しい」
 最後に、マルケジャーニが面白い話をしてくれた。彼は、「川島は決して悲観することはない」と言うのだ。元ラツィオの守護神が語る。
 「今回の川島を見て、私は1978年アルゼンチン大会のディノ・ゾフのケースを思い出していた。あの大会、アッズーリは4位に終わるが、2次リーグの最後と3位決定戦での彼のプレーが非難の的になった。特に、オランダとの三位決定戦では、遠目からの2本のシュートに全く触れることの出来なかったゾフに厳しい声が集中した。最も、今見ると、2本とも彼の責任では全くないシュートだけれどね(笑)。当時、ゾフは36歳。その大会を最後に代表から引退しようと考えていた。ところが、その不当な非難を受け、彼の闘争心は再び燃え上がったというんだよ。彼は代表でのプレーし続けることを決め、1982年スペイン大会、40歳でキャプテンとしてチームを引っ張り、イタリアを優勝へと導いたんだ。特に、準決勝のブラジル戦で見せたスーパーセーブは今でもイタリアでは語り草になっている。永嗣は今35歳だって? まだやれるよ。もし彼の中にまだ熱いものが残っているなら、私はぜひ4年後のカタール大会まで頑張って欲しいね。そう、屈辱を4年後の栄光に繋げた偉大なGK、ディノ・ゾフのように
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川島永嗣の真実(2) [サッカーダイジェスト]

「もしあそこでスーパーセーブが出ていたら」(アメ―リア)
 もう一人の論客、マルコ・アメーリアも、「川島がロシアで犯した決定的なミスは2つだけ」と言う。クラブではリヴォルノ、ミランなどでプレー。アッズーリでは、2005年~2009年まで活躍しキャップ数はマルケジャーニと同じ9。2006年ドイツW杯では、ジャンルイージ・ブッフォンの控えとしてイタリアの史上4度目の世界制覇を影でサポートした。彼もマルケジャーニ同様、現在は解説者として活躍している。
 アメーリアが付け加える。
ルカが挙げた2つに加えて、もう少し厳しく見るなら、決勝トーナメント1回戦のベルギー戦、敵の追撃弾となったゴールへの対応で、もう少し何か出来たかなとは思う。最も、ヤン・フェルトンゲンのヘディングはゴールを狙って打たれたものではなかっただろう。とにかく中央に折り返し、誰かがそれを押し込んでくれたら良いという感じに見える。ただ、その時の永嗣のポジションを見ると決して理想的なものではない。一概に何処とは言い難いが、次のプレーを事前に読み、ポジションを変える。技術というより経験によって少しずつ培われていく能力だ。彼ほど国際経験の豊富なGKなら、あの場面でもう少しその能力を発揮して貰いたかった。もしあそこでスーパーセーブが出ていたら、ベルギーも精神的に追い込まれていっただろう。そういう意味では勝敗を分けたプレーの一つだったとも言える」

「高さがなければ『特別な武器』を常に進化させていく必要がある」
 世界の守護神の高身長化が進む中で、やはり日本のGKは高さでどうしても劣る部分がある。この「高さ不足」の側面について2人はどう考えているのだろうか。
 アメーリアの意見はこうだ。
「勿論、高さがある方が助かるよ。後は、手足の長さも。腕を広げた時、ゴールを覆うイメージが強くなれば、シュートを打つ敵へのプレッシャーも大きくなる。後は、単純に、コーナーやFK等のセットプレーの時は高さが大きな武器になる。もしそれがない場合は、俊敏さ、それからさっき言ったポジショニングセンスあるいは次のプレーを読む能力、そういった『特別な武器』を持ち、それらを常に進化させていく必要がある」
 マルケジャーニの意見はどうだろう。
「高さが役に立つこともある。ただ、必ずしもそうだと言い切れないのは、例えば低いボールへの対応などハンディキャップとなる部分も備えているからだ。私はGKの理想というのは、バランスだと思う。勿論、背が高く俊敏で足技に長けていたら、それに越したことはない訳だが
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川島永嗣の真実(1) [サッカーダイジェスト]

元イタリア代表GKが川島のパフォーマンスを分析「技術的なミスは2つのみ」
SOCCER KING 7/25(水) 18:06配信
 称賛と非難、大手柄と大失敗、天国と地獄。ゴールキーパーとは、その狭間を常に漂い続ける何とも難儀な職業である。先日終了したロシア・ワールドカップにおいて、4試合フルタイムで日本代表のゴールマウスに立ち続けたエイジ・カワシマ(川島永嗣)もまた、自身が担う役割の難儀さを改めて痛感したGKの一人だったろう。
 今改めてそのプレーを見返してみると、確かに川島のポテンシャルを考慮に入れるなら、ベスト16に進出し、強国ベルギーを最後の最後まで苦しめた今回の日本代表を彼のプレーがもう少し助けられたのでは。そんな印象をどうしても持ってしまう。ただ、ミスを犯したのは彼だけではない。あのリオネル・メッシもクリスティアーノ・ロナウドも、それぞれ大事な場面でPKを外したではないか。フランスを20年ぶりの世界制覇に導いた名手ウーゴ・ロリスにしても、決勝戦という大舞台でクロアチアのマリオ・マンジュキッチに見事なアシスト(!?)を提供している。彼にとって幸運だったのは、あのミスが勝敗を分けるものではなかったことだ。もしあのミスで決勝戦の勝者と敗者が入れ替わっていたら。ロリスは一生、あのミスの悪夢から逃れらなくなっていたに違いない。

「GKのミスというのは元来目立つもの」(マルケジャーニ)
 川島のロシアでのプレーを分析するのに、私は2人の友人に助けを求めた。いずれも、世界で最も難儀な職業のひとつである代表GKの役を、「GK大国イタリア」という看板を背負いながら担ってきた人物たちである。一人目は、ルカ・マルケジャーニ。セリエAではラツィオ、キエーヴォなどでプレー。代表では、主にジャンルカ・パリュウカのサブとして、1992年から1996年まで通算9試合に出場している。現在は、テレビ解説者として独特な視点からの分析が視聴者に好評だ。
 そのマルケジャーニが言う。
今回のW杯において川島が見せた技術的なミスは、2つのみだと思う。一つ目は、コロンビア戦、フアン・キンテーロのグランダーのFKをゴールにしてしまったこと。二つ目は、セネガル戦の中途半端なパンチングによる失点だ」
「まず、コロンビア戦のケースから解説していきたいと思う。シュートは壁の下を通っている。弾道が見えにくくなっていたことには同情するが、キンテーロがシュートを打った瞬間、そのことも予想しながらもう少し早く始動するべきだった。また、その後の動きももう少し迅速にできたのではないかと思う。確かに不運な面もあったが、代表GKならやはり止めてほしいゴールではあった」
「次にセネガル戦での失点だが、キャッチにいくかパンチングにいくか。それはGKそれぞれの考え方だ。ただ、いずれにしろ川島はもう少しアグレッシブにボールに向かっていくべきだった。GKはエリアの中では守られている存在だ。たとえ、寄せてきていたサディオ・マネとの接触があったとしても、レフェリーは敵のファウルをとる可能性が高い。私なら、マネの動きが目に入っていたとしても、もっとずる賢くブロックを作るような形でキャッチ、あるいはパンチングにいく。それで衝突しても歩があるのはGKの方だ」
「GKのミスというのは元来目立つものだが、今大会の川島には好セーブも何本もあった。セネガル戦の38分のセーブ、あるいはベルギー戦で再三見せた好守備。彼が防いだ失点は決して少なくなかった」
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川口能活の良い話(3) [サッカーダイジェスト]

2018.07.05
私が語る「日本サッカー、あの事件の真相」第7回
出番のない「第3GK」として招集されて~川口能活(3)
「『南アW杯のゴールを守れない悔しさ』が、今も川口能活のエネルギーに」
 2010年6月11日、南アフリカW杯が開幕した。
 日本は6月14日、グループステージ初戦のカメルーン戦に臨んで1-0で勝利した。4-1-4-1のシステムが機能し、本田圭佑が決めた虎の子の1点を守り切って待望の勝ち点3を獲得したのである。
「(カメルーンに)勝ったことは、本当に嬉しかった。大会本番では(選手の)コンディションが最も重要になるのですが、それが、プランどおりに調整できていた。南アフリカは冬で、気温が低いのもあって、皆、結構動けていたんです。これなら『何とかなる』と個人的には思っていました。
 それに皆が、指揮官が(自信を持って)示す『ベクトル』を信じてプレーしていた。僕らは分からなかったけど、岡田(武史)監督にはこうなることが見えていたんだと思います」
 日本はその後、第2戦のオランダ戦を0-1と惜敗するも、第3戦のデンマーク戦を3-1と快勝。周囲の不安を払拭し、劣勢と見られていた前評判を覆してグループリーグ突破を決めた。
「第3GK」「チームキャプテン」という特殊な役割を担って代表入りした川口能活は、その間のチームをどう見ていたのか。更に、選手達にはどんな変化が見られたのだろうか。
「(サブ組の選手で言えば)変わった選手もいれば、納得できずにいた選手もいた。それでも、チームが勝ち上がっていくにつれて、皆が同じ方向を向いて戦っていくようになりました。
 そうなれたのは、やっぱり勝利が大きかったんですが、自分はサポートメンバーがいたことも大きかったと思っています。永井(謙佑)、香川(真司)、酒井(高徳)、山村(和也)の4人がいたんですけど、彼らはこのチームから”代表チームの振る舞い”を吸収するので、23名の選手皆が(自分のことで)腐っていたり出来ないんですよ」
 サポートメンバーの4人、中でも香川は、実際に本大会でプレーしてもおかしくない選手だった。そうした若手の前で、無様な姿を見せる訳にはいかない、そんなプライドが、代表23名の選手全員にあったのだろう。
 決勝トーナメント1回戦。パラグアイ戦は、PK戦の末に惜しくも敗れた。
 試合後、多くの選手がピッチに座り込み、涙に暮れていた。そうした状況の中、川口は涙を見せることなく、ピッチで戦った選手達に水を渡すなど、普段通りの仕事を最後まで全うした。
「試合が終わって、W杯が終わっても、感傷的にはならなかったですね。ベスト16の余韻に浸ることもなかった。この大会での自分の役割は分かっていましたけど、やっぱり選手は試合に出てなんぼ、じゃないですか。終わった瞬間、(所属の)ジュビロ磐田に帰って、レギュラーポジションを奪い返すことしか考えていなかったですね」
 川口の周囲には、同じ思いを持つ選手が沢山いた。中村俊輔は大会中から、大会後にステップアップするために必要なことをずっと考えていた。中村憲剛も早くチームに帰ってプレーしたいと、すぐに気持ちを切り替えていた。楢崎正剛も、稲本潤一も、まったく同じ考えだったようだ。
 しかし、彼らはW杯期間中、不満な姿勢や言動を一切見せなかった。ただ只管、献身的にチームをサポートしていた。それは、極めて「プロフェッショナル」な姿勢だったと言える。
 川口も、時には気持ちが折れそうになったり、難しい表情を浮かべてしまう時があったりしたが、全て飲み込んでいた。南アフリカW杯における日本の快進撃は、こうしたベテラン選手達の「献身」と「想い」によって実現したことを、どれ程の人が理解しているのだろうか。
「我慢というか、自分の役割に徹することが出来たのは、やっぱりドイツ大会の二の舞を演じてはいけない、という気持ちが強かったからだと思う。あの大会は(自分も)31歳で、経験も積んで一番体が動いていたし、アジアカップから最終予選までずっとゴールマウスを守り続けてきたので、自分の中で期するものがあった。メンバーも素晴らしい選手ばかりでした。でも、オーストラリア戦の敗戦でチームはまとまり切れず、結果も出なかった。
(南アフリカW杯のときは)そんなドイツ大会のような悔しい思いは、もう二度としたくないと思っていましたからね」
 川口はそう言うと、少し間を置いてこう続けた。
「南アに自分が呼ばれたのは、そういう経験もあって『チームをまとめてほしい』ということだったと思います。でも、結果が出なければ、僕が行った意味がなくなってしまう。2010年大会は、自分にとって”最後”という覚悟もあったので、チームに何かを残したいと思ってやってきた。そして、幸いベスト16という結果が残せました。
 ただ、選手としてはどうなんだろう。何も残せていない。やはり、ゴールマウスを守れなかった、その悔しさがずっと自分の中に残っていました」
 そう語る川口の厳しい表情を見ていると、大会中、本当はとても苦しい状態にあったことが良く分かる。だが、それに耐えられるだけの、逞しい「人間力」が彼には備わっていた。
 若い頃は、高みを目指すが故、沸き上がる感情を抑え切れずに周囲と頻繁に衝突し、まるで尖ったナイフのような存在だった。それが、数々の修羅場を経験し、海外でもプレーすることによって角が取れて、チーム全体を俯瞰できる存在になった。
 岡田監督が川口を抜擢した理由は、そうした人間力にあったような気がする。その気持ちの強さを知り、どんな状況にあっても耐えてリードしてくれると思ったからこそ、チームキャプテンに指名したのだろう。
 川口は、2010年南アフリカW杯において、日本代表にとって替えの効かない不可欠な存在だったのだ。2002年日韓共催W杯でチームのまとめ役を果たした中山雅史や秋田豊のように、である。いや、大会直前のチームの不穏なムードを考えれば、それ以上の存在だったかもしれない。
「日本がW杯に出場できるようになって、これまで歴史を重ねてきましたが、やっぱり大事だなと思うのは、チームに影響を与える選手がいるかどうか、だと思うんです。選手としてのプライドを持って、チームの為に犠牲になれる選手。そういう選手がチームにいることが、日本代表が(W杯で)勝つための重要なポイントだと思います。それは、これからも変わらないと思います」
 南アフリカW杯では、その「特命」を川口が引き受けた。それは、ケガでリーグ戦に出場していない、という負い目もあったからだろう。そこに付け入る岡田監督は、ある種の「策士」であったと思う。
 そういう意味では、川口が所属のジュビロで万全な状態でプレーしていたら、どうなっていただろうか。「第3GK」「チームキャプテン」と言われて招集された場合、南アフリカに行っただろうか。
「う~ん、難しい。そういうことは考えたことがなかった。ケガしていなかったら、『第3GK』と言われたらどうかなぁ。選手としてのプライドもあるし、「第3」というのはすごく難しい。でも、『川口の力が必要だ。今は「第3GK」だけど、競争だ』と言ってくれたら、行くでしょうね」
 南アフリカW杯が終わってジュビロに戻った川口は、8月7日のモンテディオ山形戦で、ほぼ1年ぶりとなるリーグ戦出場を果たした。その後、2013年に9年間在籍したジュビロを退団。J2のFC岐阜を経て、現在はJ3のSC相模原でプレーしている。
 川口が現役を続ける理由はいくつかある。
 ひとつは、イングランドのポーツマスFCでプレーしていた時、デーブ・ベイセントという44歳のGKが若手に指導しながら、彼自身も現役として溌剌としたプレーを見せていたことだ。その姿を見て「GKは何歳になってもやれる」ことを痛感し、現役生活を長く続けていくことの勇気をもらった。
 そしてもうひとつ、最大の理由は南アフリカW杯の経験にあるという。
「4回目のW杯、「第3GK」で「チームキャプテン」としての、一つの結果は出せた。でも、ゴールマウスを守れなかった。ピッチに立って、勝利を勝ち取ることができなかった。その悔しさが、選手を続ける為のエネルギーとなって、今も自分の中に残っているんです」
 昔も今も変わらない、サッカーへの情熱を燃やし続ける川口の姿がそこにあった。
 2018年ロシアW杯。川口が代表から離れて2回目のW杯が行なわれている。その喧騒の中、川口は42歳になった今も、日本代表への道を諦めていなかった。
「まあ、実際は(今の所属先が)J3ですからね。J1でプレーしている選手が(代表に)選ばれるのは当然ですから、厳しいのは承知しています。
 でも、現役である以上は、代表は目標とする場所。日本代表に招集されることは名誉なことですし、今思い返しても、本当に素晴らしい時間を過ごせた。それを経験しているからこそ、簡単には止められないし、(自分が)止める姿も見えない」
 川口はそう言って笑った。
 そして、若き日と同じギラギラとした野心を瞳の奥に輝かせて、こう続けた。
「僕は、諦めが悪いんで」
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川口能活の良い話(2) [サッカーダイジェスト]

2018.07.03
私が語る「日本サッカー、あの事件の真相」第7回
出番のない「第3GK」として招集されて~川口能活(2)
「川口能活が語る南アW杯。レギュラー剥奪された選手もグッと堪えた」

 南アフリカW杯の日本代表メンバー23名の中に入った川口能活だが、岡田武史監督から指定されたポジションは「第3GK」であり、「チームキャプテン」としてチームをまとめるという、非常に難しいミッションを託された。
 それでも、およそ1年4カ月ぶりに合流した日本代表は、やはり「特別だ」と感じられる場所だった。
「チームに合流した時は、嬉しかったですね。代表を外されてから、悔しさを噛み締めつつも、自分が招集された時の為に、このメンバーと一緒に戦う際にはどうしたら良いか、ということをシミュレーションしながら、テレビで試合を見ていましたから。だから、合流しても違和感はなかったし、逆に(代表から)少し離れていたことで、新鮮に感じられました」
 その一方で、川口は岡田監督からのミッションを果たすべく、選手たちにどう対応すべきか、少し悩んでいた。脳裏に浮かぶのは、過去に3度経験したW杯において、唯一結果が出て、成功したと言える2002年の日韓共催大会のことだった。
「日韓共催W杯のときは、中山(雅史)さんや秋田(豊)さんが、ベテランとして上手くチームをまとめていました。日本が勝つ為には、そういう選手が絶対に必要だと思っていました。ただ、僕は中山さんや秋田さんのようなキャラじゃない。中山さんのように笑いが取れる訳ではないですからね。
 それで色々と悩みましたが、(自分は)特別なことはできないので、自分は自分らしく、練習を100%でやった。試合に出る為の準備や姿勢をしっかり見せて、若い(本田)圭佑や(長友)佑都らに声をかけたりして、(皆が)良い雰囲気でプレーできるように心がけました」
 しかし、チームの雰囲気は決して良くなかった。4月の親善試合でセルビアに完敗を喫し、壮行試合となる日韓戦でも0-2と敗れた。川口は自らが代表にいた時とは明らかに違う空気をチーム内に感じていた。
「僕が合流した時は、親善試合で勝てない試合が続いて、チームに余裕がなかったですね。プレーの中でのズレもあった。皆、言いたいことがあるのに何も言えない、といった感じでした。
 たぶん、僕が(チームに)入る前からそういう感じだったんだと思います。(W杯メンバーの)選考の最中では、中々言いたいことも言えないし、要求も出来ないですから。そうして積み重なってきたものが、チームの雰囲気に出ていました」
 そうして、暗いムードのまま、チームは合宿地となるスイスに向かった。
 現地での練習2日目、チームのシステムが4-2-3-1から、阿部勇樹をアンカーに置く4-1-4-1に変更された。ピッチ内には、「エース」である中村俊輔の姿はなく、GKも楢崎正剛から川島永嗣に代わった。
「ここにきて、シュン(中村俊輔)や正剛を外すのかって驚きが、チーム全体にありました。僕もそう思いました。当初は、永嗣の起用も(大会前の)テストマッチ用だろうと思っていたし、阿部ちゃんのアンカーも、オプションの一つだと思っていて、まさかこのまま行くとは思っていなかった。あれは、岡田さんの『賭け』だったと思います」
 大会直前の選手を含めたシステムの大幅な刷新は、流石にチーム内に大きな動揺を生んだ。チームが揺れる中、危うい空気を察した川口は、その日の夜、宿舎で選手だけのミーティングを開いた。
「皆、言いたいことも言えず、(色々なものが)溜まっていた。ガス抜きじゃないけど、(選手だけのミーティングを開いて)お互いに意見をぶつけてみれば、まとまるかなと思ったんです。
 ミーティングの最後に(田中マルクス)闘莉王が『俺らは下手くそなんだから、気持ちを出して、泥臭くやるしかないんだ』と言ったんですが、そのときにチームがまとまったかというと、そこまでには至らなかった。まだチームが変わり始めたばかり。雰囲気はそれほど変わらないまま、(その日のミーティングは)終わった感じでした」
 それから3日後、チームは大幅に刷新されたメンバーとシステムでイングランドとのテストマッチに臨んだ。さらに、キャプテンも中澤佑二から長谷部誠に代わった。その後に行なわれたコートジボワール戦も同様だった。
 その結果、それまで主力だった選手の多くがピッチから離れることになった。だが、意外にもチームの雰囲気は悪くならなかった。レギュラーの座を奪われた選手達が、献身的にチームを支えていたからだ。その姿を見て、川口は心が震えたという。
「レギュラーメンバーの入れ替えがあると、チームはすごく難しくなる。自分が中心でやってきた選手からすると、受け入れ難い状況だと思いますから、どうしてもギクシャクしてしまう。それは、選手の心理として、当然だと思うんです。
 でも、あの時はそうはならなかった。正剛とは特に話はしなかったけど、同じGKだし、(楢崎の)気持ちは痛いほど分かった。大会前に代えられるのは本当に辛かったと思うけど、しっかりとセルフコントロールしていた。
 シュンも内心では『なにくそ』と思っていただろうけど、そんな態度は一切見せなかった。あのチームは元々シュンのチームだったから、本当に(気持ちを整理するのは)大変だったと思うけど、自己犠牲の精神でチームを支えていた。日本代表チームの一員として見せた、あそこでの姿は本当に立派でしたね」
 南アフリカのベースキャンプ地であるジョージに入ると、川口は中澤、楢崎、中村らと「散歩隊」を作って、広いゴルフコースを歩いた。そして、食事のテーブルには、主力からサブに転じた選手達が自然と集まるようになっていた。
 そこで、川口は誰もがストレスをためないように振る舞った。練習でも、いつも以上に全力でやることを心がけ、サブとなった面々を引っ張っていった。一方で、若くしてレギュラーの座を掴んだ本田や長友には、「思い切ってやれ」と積極的に声をかけた。
 劇的に変化し続けるチームであっても、その士気が落ちることはなかった。岡田監督の期待どおり、川口はチームのまとめ役を果たしたのだ。
 ジョージに入って数日後、川口は岡田監督に再び部屋に呼ばれた。
「選手はどうだ?」
 岡田監督にそう訊かれて、川口はこう言った。
「動きは良くなっていると思います」
「(テストマッチのコートジボワールとの)試合を見て、どう思った」
 岡田監督からそう質問されると、こう答えた。
「ちょっと相手が強かったのもありますが、結果が出ていないので、そこでの不安はあるかもしれません」
 イングランドに1-2で敗れた後、コートジボワールには0-2で負けた。とりわけコートジボワール戦は、相手に一方的にやられて、内容的には0-2というスコア以上に何もできなかった。
だが、岡田監督は自信ありげにこう言い返した。
「そうか。でも、俺は手応えを感じているんだよね」
 合宿地のスイスにいた時とはまるで違う岡田監督の表情を見て、川口は驚いた。岡田監督は何か達観したような、落ち着いた表情をしていたのだ。
「スイスでメンバーを切り替えた時点では、選手の組み合わせやコンディションなどを含めて、(岡田監督には)メンバーにまだ迷いがあるようでした。そしてその後、イングランドに負けて、コートジボワールにも負けて、僕はこのままじゃあ、正直きついなって思っていた。
 でも、(コートジボワール戦後に)岡田さんの部屋で話をした時は、(岡田監督自身)色々なことが吹っ切れていて、手応えをつかんでいる様子でした。『もう、これでいく』と覚悟を決めていたんだと思います。『やれる!』という自信に満ちあふれていましたね」
 大会前、最後の練習試合となるジンバブエ戦を終えると、その翌日はオフとなった。
「とにかく、休め。ゴルフでも、何でも良いから、リラックスしろ」
 選手達に向かってそう言った岡田監督の表情に、川口はこれまでにない余裕を感じた。
 指揮官の自信は、選手達に伝播していくものだ。
 ひょっとしたら、この大会、イケるかも――。
 南アフリカW杯の初戦となるカメルーン戦の決戦前夜、川口はそう感じていた。
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川口能活の良い話(1) [サッカーダイジェスト]

お久しぶりです。久々にブログも頑張ろうと思います。

2018.07.01
私が語る「日本サッカー、あの事件の真相」第7回
出番のない「第3GK」として招集されて~川口能活(1)
「南アW杯のメンバー入りは絶望。そのとき突然、川口能活の携帯が鳴った」

「ゴールキーパー。楢崎、川島、川口」
 2010年5月10日、南アフリカW杯に臨む日本代表メンバー23名が岡田武史監督から発表された。
 川口能活(かわぐち・よしかつ)の名前が呼ばれた時、会場がざわついた。
 何故、川口が。
 当時、川口はジュビロ磐田に所属していたが、2009年9月、京都サンガ戦で相手選手と衝突して全治6カ月の重傷を負っていた。2010年シーズンが開幕してからも、そのケガはなかなか完治せず、川口は1試合も出場することなく、戦列を離れていた。
 そうした状況にあっての川口の選出は、まさに「サプライズ」だった。
 岡田監督は会見の中で、川口選出の理由をこう述べた。
「『第3GK』という難しいポジションだが、(川口の)リーダーシップに期待している」
「第3GK」、「リーダーシップ」。
 テレビ画面の向こう側から聞き慣れない言葉が、川口の耳にとび込んできた。
 これまで1998年フランス大会、2002年日韓共催大会、2006年ドイツ大会と、3度のW杯を経験してきた川口。フランス大会とドイツ大会では、正GKとしてプレーした。
 だが、今回はプレーヤーとしての役割を求められていない「空気」を感じた。川口にとって4度目のW杯となる南アフリカ大会は、これまでとは大きく異なる大会になりそうだった。
 当時、W杯メンバーのGK枠は、楢崎正剛と川島永嗣がほぼ当確。残り1枠は、2010年1月の鹿児島・指宿キャンプに招集された西川周作が有力、という状況にあった。
 そんな中、川口は前年の負傷以来、開幕したリーグ戦で1試合も出場機会がなく、ベンチ入りさえしていなかった。それでも、W杯メンバー発表直前にプレーできる姿を見せようと、準備を重ねていた。
 そして5月9日、代表メンバー23名が発表される前日、やっと実戦復帰の目途が立った川口は、練習試合に出場する予定だった。その試合には、日本代表の加藤好男GKコーチが視察に訪れ、川口の家族も見に来ることになっていた。しかしその直前、右足の内転筋に張りが出て、試合出場を急遽回避した。
「『あぁ~、これでW杯(出場)がなくなったな』と思いました。それまで、リーグ戦に1試合も出ていなかったんですが、練習試合でもプレーできるところを見せられれば、少しは可能性が出てくるかな、と思ったんですけど。(練習試合にも出場できず)これでもう、99.9%(メンバー入りは)ダメだなって思いました」
 練習試合が始まる前、夫人に「試合には出ないから、家に帰る」と連絡した。気持ちが落ち込んで、家にいると落ち着かないため、気持ちを切り替えようと、家族で外食に出掛けた。
 そのとき、川口の携帯電話が鳴った。東京の「03」から始まる発信番号が画面に映し出されていた。川口は「誰だろう?」と思って電話に出た。
「ヨシカツか? 俺だよ」
「え? すみません、誰ですか?」
「俺だよ、岡田だよ」
 日本代表の岡田監督からだった。岡田監督が話を続ける。
「今日、ケガをして(練習試合に)出られなかったようだけど、調子はどうだ?」
「内転筋がちょっと痛いですけど、治れば(プレー)できます」
 川口はそう答えた。その直後、岡田監督はこう言った。
「そうか。実はおまえを(W杯の)メンバーに入れようと思っている」
 その言葉を聞いて、川口は返事に窮した。そしてそのまま、岡田監督の打診に即答することなく、一度電話を切った。
 このとき、川口が躊躇、逡巡したのは、23名の代表メンバーではなく、サポートメンバーとしての打診だと思ったからだ。リーグ戦に1試合も出場していない選手を、23名の選手として考えているとは、とても思えなかったのだ。
 しかし、試合に出られないサポートメンバーであっても、監督に呼ばれた以上は、行くべきなのか。川口は、家族は勿論、恩師や友人らにも連絡し、「どうしたら良いと思うか?」と相談した。
 すると、夫人をはじめ、相談した全員が「(監督に)必要とされているなら、行くべきだ」と答えた。そうして背中を押された川口は、日本代表として戦う決意を固め、最初に連絡を受けてから3時間後、岡田監督に電話を入れた。
「監督、是非連れて行って下さい。宜しくお願いします」
 川口がそう言うと、岡田監督は「そうか、分かった」と答えた。
「ただ、一つ聞いても良いですか。自分はサポートメンバーですか?」
 そう川口が聞くと、岡田監督は苦笑した。
「バカ、違うよ。23名の内の1人だ」
 岡田監督のその言葉を聞いて、川口は胸の中でモヤモヤしていたものが、スッと晴れていくのを感じた。そして、弾んだ声でこう答えた。
「是非、宜しくお願いします」
 だが、電話を切った後、直ぐに様々な感情が湧いて来た。
「凄く嬉しかった反面、『本当に自分で良いのか?』とも思っていました。Jリーグの試合に出て活躍している選手がいる中で、試合にも出ていない自分が選ばれて良いのかっていう負い目があったんです。
 それに、まだ正式に(メンバーが)発表された訳ではない。正直、『メンバーが発表される迄、まだ分からない』とも思っていました。自分の中では、半信半疑の状態でした」
 翌日、W杯メンバー23名が発表されて、実際に川口の名前が呼ばれた。
 メンバー発表のテレビ中継を夫人と一緒に自宅で見ていた川口は、正式にメンバー入りが決まって、嬉しさが込み上げてきた。「頑張ろう!」と、改めて決意を固めた。
 その矢先だった。テレビ画面の向こうの会見場では、川口の選出についての質問が飛んだ。その質問に対して、岡田監督は表情を変えずにこう答えた。
「川口は『第3GK』という難しいポジションだが」
 岡田監督がそう話した瞬間、川口は身を固くした。
 GKであれば、「第3GK」という位置付けがどういうことなのか、容易に理解できる。3人いるGKの中の3番手。それは、試合に出場する可能性は「ない」に等しいということだ。
「(岡田監督の発言を聞いて)う~ん、正直、悔しかったですね。前日に電話で話をした際には『第3GK』とは言われなかったので。
 まあ、でも、現状を冷静に考えると、『そうだな』と思う所もありました。自分はリーグ戦にも出ていないし、実戦から離れて試合勘もない。戦列にやっと戻れるかどうかという状況。そういう中での代表招集は、異例と言えば異例ですからね。
 試合に出られる可能性は低いですが、最初から諦めるのではなく、試合に出るつもりで準備して、気持ちを切らさずにやっていくしかないと思いました」
 日本代表のメンバー23名が決まり、チームは埼玉で合宿に入った。
 川口は、すぐに岡田監督の部屋に呼ばれた。この時を含めて、川口は岡田監督に3回、部屋に呼ばれることになるのだが、これが最初だった。
「これまでケガなどがあって、なかなかおまえを(代表に)呼ぶことができなかった。こういう形(第3GK)で呼んだけど、チームキャプテンとしてやってほしい」
 最初、川口は「チームキャプテン」の意味が正確に把握出来なかった。それが表情に出ていたのか、岡田監督は改めてこう言った。
「チームキャプテンとして、チームをまとめていってほしい」
 この時、川口は自分が招集された理由を明確に理解することができた。
「最初は、自分のプライドもあるし、『第3GK』で、『チームキャプテン』というのは難しいなって思いました。でも当時、自分は34歳で、3度のW杯を経験してきた中で、どういうチーム状況であれば勝てて、どういう時は結果が出ないのかを見てきた。
 自分が試合に出られないのは悔しいのですが、そこを押し殺して『チームの為に』という姿勢を見せた選手がいる時、日本は良い成績を残している。
 それに今回、岡田さんは自分が試合に出ていない状況で呼んでくれた。割り切って、『チームの為に』という気持ちでやっていこうと、この時、決めました」
 選手であれば、容易に受け入れることが出来ない「宣告」だろう。若い時の血気盛んな川口であれば、その場でメンバー入りを辞退したかもしれない。しかし、過去3度のW杯において、川口は試合に出られない状況にあっても腐らずに、チームに貢献してきたGK達の姿も見てきている。
「フランスW杯のときのノブさん(小島伸幸)、日韓共催W杯のときのソガ(曽ケ端準)、ドイツW杯のときの土肥(洋一)ちゃんを見てきましたからね。GKにはGKにしか分からない精神状態があるし、今度は自分がそういう立場になって、正剛や永嗣を支えようと思いました」
 チームキャプテンで、第3GK。
 川口にとって4度目のW杯は、「もっとも難しい挑戦」になったのである。
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参議院選挙 [政治や歴史の話]

参議院選挙。自民党はあまり議席を伸ばせなかったし、大臣二人が落選した訳だから、快勝とは言えないだろう。売国奴の野中を復党させたり、意味不明なことをやっている内は自民党も保守層から完全には信用されないだろう。

共産党と民進党の選挙協力はまあまあ成果があったと思う。多分、「防衛予算は人殺し予算」の発言がなかったら、もっと共産党の議席は増えただろう。
但し、共産党のあの発言は思いつきでも何でもなく、共産党の本音を暴露したものとして日本国民は記憶しておいた方が良い。共産党は内心は自衛隊ではなく、自分達の手足となって動く子飼いの軍隊が欲しいのだと。これが、世界中の共産党のやり口ですが、何か。

また、共産党との選挙協力は安全保障面ではリアリストな民進党の支持者の離反を生んだのではないかというのが小生の見解である。
健全な野党がないと、与党も駄目になるし、権力腐敗が進むのは自明。しかしながら、憲法第九条を梃子に安全保障を過剰に縛ったり、安全保障論議そのものを封殺する、又は封殺してきた政党はまず日本から退場して頂かないと。

小生は改憲論者だが、現憲法下でも、自衛力の大幅強化や、いざ日本が他国に襲われた際の国防施設の整備、戦争状態になった際の国民保護のプラン設定がきちんと行われるならば早急な憲法改正を求めるものではない。
しかしながら憲法第九条を大事にする政党、その政党の支持者、その政党を支持するスポークスマン(=マスメディア)は、日本周辺の危険性から目を逸らしたり、日本周辺には危険がないよう言い繕ったり、「日本は過去に周辺国に迷惑をかけたのだから、周辺国から嫌がらせを受けても耐えねばならん」とか言ってきた。

小生は、「早急な憲法改正には反対だが安全保障面の拡充は躊躇いなくやるし、日本の安全保障の脅威には、外交面と軍事面の両方で徹底的にやる」という野党が出てこない限り、自民党以外に投票することはないだろう。 その意味で、安全保障面で根本的に間違っている共産党と見合いをした民進党は、日本の健全な野党になる資格は失ったし、与党になる資格も当然失った、というのが小生の見解である。

憲法9条「守って」=野中元官房長官【16参院選】
時事通信-2016/07/09
 6月に自民党に復党した野中広務元官房長官は9日夜、参院京都選挙区に立候補している自民党候補が京都市内で開いた演説会で講演し、「あの戦争を経験した私は、命がある限り、憲法9条だけは守って欲しい。再び恐ろしい戦いに、あるいは犠牲者を出すような、そんなことを日本民族は再び犯してはならない」と訴えた。(2016/07/09-22:45)
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共産党の真意 [政治や歴史の話]

共産党の藤野氏の人殺し予算発言について。
現時点で、軍事力を事実上否定している憲法第9条がありながらも、憲法解釈上、自衛隊は合憲である。
とすれば、「自衛隊は違憲だ」と内心では思っている社民党や共産党は、全く憲法を護っていない。憲法第9条という条文だけを護っているのではないか。
きちんと言うならば、社民党や共産党は、現時点の自衛隊が合憲であるという憲法解釈を変更したいというのが本音であろう。
又、自衛力の存在をも本質的には消し去りたいのだが、自衛隊に代替する軍事力は誰に任せるのだろうか。国連だって、自力で国を守る気概のない国に軍事力を派遣する程暇ではない。

世界に目を向けると、全世界の共産党や社会党、労働党と名がつく政権、名がついた過去の政権等々は、スーパー重武装政権であることが多いが、日本の社民党や共産党が政権を担った際に、現日本国憲法が破棄されスーパー重武装国家になる懸念はないのだろうか。社民党や共産党は米軍排除に懸命だが、米軍なき後、何処の国の解放軍とかが日本に進駐しないだろうか。

藤野氏の所属する党は、中国共産党や朝鮮労働党とお仲間(=忠犬かもしれない)だろう。憲法第9条の崇高さを何故、かの政党らに説かないのだろうが。そんなに憲法第9条が素晴らしいなら、まず友党の彼らに憲法第9条の素晴らしさを説いてみるが良い。少しはかの国の軍事力が削減されるかも(苦笑)。

憲法第9条の精神に則れば、違憲の存在である自衛隊を災害地に派遣することを社民党や共産党は断固として反対しなければならない。自衛隊は違憲でいずれはなくす存在だが熊本地震のような大規模災害には使い勝手が良いからとりあえず派遣しとこうか。これは虫がよすぎる。

下に引用した小池書記長の「急迫不正の侵害や大規模災害では、自衛隊の皆さんにも役割を果たしていただく」という言葉。非常に不可解である。
同党が段階的な解消を目指している自衛隊に対して、「緊急時には存分に働いてくれ」とは都合の良すぎる話ではないか。
「共産党は日米安保条約や自衛隊を今すぐなくせとは言っていない」と言うが、政権与党になったら、自衛隊を共産党の都合の良い人民解放軍にでも変貌させる気なのではないか。自衛力の解消をして、日本が危機状態になった時に、共産党は、どう落とし前をつけるのか。
「今すぐなくせ」とは言っていないが、じゃあ、いつなくさせるつもりなのだろう。

世界の例が示す通り、世界中の共産党系の政権が軍事力を握りしめていない例はない。日本共産党も、自分の意志にそぐわない自衛隊はお嫌いだが、自分の意のままに操れる解放軍はきっとお好きに違いない。
共産党が政権の中枢に入れば、自衛隊を解体させて、きっと共産党の息のかかった○○解放軍をきっと日本に誕生させることだろう。
雰囲気で共産党を支持している人々は、こういうことまで想像しているのだろうか。

共産「人殺す予算」発言 「全面的に党の方針と違う」共産・小池書記局長が弁明
産経新聞 6月29日(水)16時41分配信
 共産党の小池晃書記局長は29日、防衛費をめぐるテレビ発言で同党の藤野保史氏を事実上、政策委員長から更迭したことについて、遊説先の福岡市東区で産経新聞社などの取材に応じ、「(発言は)党の綱領にも反し、全面的に党の方針とは違ったから」と述べた。
 「共産党は自衛隊の防衛費を全額削除しろ、とは言っていない。急迫不正の侵害や大規模災害では、自衛隊の皆さんにも役割を果たしていただく」とも語った。
 藤野氏の発言に対しては与党に限らず、参院選で共闘する民進党からも非難の声が上がった。
 小池氏は「問題ならば丁寧に説明するしかない。(与党の批判は)こちらの頑張りではね返すしかない」と述べた。
 また小池氏は同日、福岡選挙区(改選3)の共産候補者の応援演説で安全保障政策に触れ、「共産党は日米安保条約や自衛隊を今すぐなくせとは言っていない。(昨年成立した)安保法制をなくせと言っている」と訴えた。
 共産党中央委員会広報部によると、同党は日米安保を廃止し、自衛隊の段階的な解消を目指している。また、集団的自衛権行使を限定的に容認した閣議決定の撤回を求めている。広報部の担当者は「参院選では民進党とは安全保障政策では距離があるのを横に置いてでも、われわれが『戦争法』と呼ぶ『安保法制』は憲法違反だとして、廃止するため、共闘した」と指摘した。
 藤野氏は、26日のNHK討論番組で防衛費について「人を殺すための予算」と発言した。同日夕に「不適切だった」と撤回したが、批判は収まらず、28日に責任を取って辞任した。同日夜の記者会見では「党の方針と異なる誤った発言だ」として謝罪した。
 小池氏はこの記者会見にも同席した。また、後任の政策委員長を当面兼務する。
タグ:政治
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移民の問題 [国際諜報機関のプロファイル]

これが本音。
小生はこう思う。政治家の本分は、まず自国の安全、経済的繁栄を考えるべき。
勿論、国際協力の立場から移民の受け入れ等も必要だとは思う。
しかしながら、移民等を受け入れて、治安が悪化している例は枚挙に暇がない。
ドイツでは、偽善者の女主人が移民受け入れを表明しているから、そちらに行って頂ければ幸いです。

「優しくない」難民が避ける国、フランス
AFP=時事 9月30日(水)18時35分配信
【AFP=時事】
 ドイツ、スウェーデン、オランダでのより良い生活を夢見て、欧州への危険な旅に出る難民達の口から行き先として出ない国がある──フランスだ。
 欧州2位の経済力を誇り、かつては難民申請者の約束の地だったフランスはなぜ避けられているのか?
 「フランスは私の未来に良いと思わない。何より、居住許可が出にくいことで有名だ」と、イラク・バグダッド(Baghdad)出身でフィンランドへ向かうという男性(24)はAFPにそのように話した。
 さらに、フランスへと向かうことは、「お役所仕事」と英語を話そうとしない不親切な公務員のせいで、何か月間も屋根なしの生活を送ることを意味するとの噂も広まっている。
 約350万人が失業中という同国の経済状況も魅力的には映らないのは言わずもがなだ。
 フランスは、「観光に訪れるのは良いが、仕事は見つからない」と、シリア出身のアブドゥルラーマンさん(26)は言う。
 フランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領は今月、最大1000人の難民を受け入れると発表した。毎日、何千人もの難民の流入に対応しきれなくなったドイツを助けることを意図したものだった。
 フランス政府はすぐに独ミュンヘン(Munich)に移民担当職員を送り、フランスで難民申請をするよう難民達の説得を試みた。
 しかし、手配したバスに乗ってフランスにやって来た人の数は600人に満たなかった。今の所、この数が増える予定もないと移民当局者は語る。そして、それ以上のコメントは得られなかった。
 2011年にシリア内戦が始まって以来、他国へ逃れたシリア人の数は400万人に上るが、フランスで難民と認定されたのは、わずか7000人足らずとなっている。
 フランス政府は今後2年間でさらに3万1000人の難民の受け入れを約束している。それに合わせて、難民認定プロセスの迅速化や、提供できる住居の数も増やすよう努力しているという。

■フランス語での対応
 難民申請の手続きにおける厄介なルールの1つは、住所を必要としていることだ。だが国を逃れてきた人達に住所などある筈がない。
 フランスには、難民申請者6万人以上に対し、受け入れることのできる施設が3万人分しかない。つまり、多くは、友人や家族の家に身を寄せるか、路上での寝食を強いられることになる。
 難民支援団体「Revivre」のSabreen Al-Rassace氏は、「だからシリア人達は、フランスが難民を歓迎する国ではないとの自らの経験をフェイスブック(Facebook)などのSNSで共有する」と説明。Al-Rassace氏によると、殆どの難民は片言の英語しか話さないが、フランスの公的な文書はフランス語でしか書かれておらず、また役人達にも英語で対応しようという努力はみられないという。
 移民問題の専門家であるフランソア・ジェメン(Francois Gemenne)氏は、このことについてフランスはもっとよく考えるべきとし、「移民や難民を歓迎しない国だと思われるようになったということは、国の経済が良くなく、民主主義も健全ではなくなったことを意味する」と付け加えた。【翻訳編集】 AFPBB News
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国会で起こった羽交い締め [政治や歴史の話]

これも動画が残っているのだが。
何故か、読売新聞と毎日新聞には記事がない。
朝日新聞は、匿名にして、必死に議員を庇おうとしている。
動画が全てを明らかにしているのだが。
委員長席付近ではなく、その周囲で様子を見ていた大沼女史をいきなり後ろから襲いかかっている。
こういうのを見ると、やはり護身術とかは必要だよなと思う。


安保法案 「私を羽交い締めにして…」自民女性議員が民主議員の“セクハラ暴行”を激白
産経新聞9月18日(金)17時15分
 17日夜の参院平和安全法制特別委員会での安全保障関連法案の採決の際、自民党の大沼瑞穂参院議員(36)が、民主党の津田弥太郎参院議員(63)に後ろから羽交い締めされた上、引き倒されるなどの暴行を受け、けがをしていたことが18日、分かった。
 大沼氏が被害にあったのは、大混乱となった委員長席周辺ではなく、偶発的な暴行が起きる可能性は少ない。大沼氏は産経新聞の取材に対し、「想像を絶する暴力的セクハラ行為に非常にショックを受けている。津田氏から何の謝罪もない」と話した。
 大沼氏によると、参院第1委員会室で採決が行われた際、委員席の間の通路に立っていた。すると突然、津田氏に背後から羽交い締めにされて後ろに引き倒された。さらに両脇の下に腕を入れられ、後方の椅子に引きずられた。この後、津田氏は、大沼氏をいったん膝の上に乗せた上で床に投げ飛ばしたという。
 大沼氏は右手を床についた際、薬指と小指を突き指した。すでに病院で治療を受け、診断書も作成してもらったという。
 自民党執行部は、事態を重く見て、津田氏の告訴を含めて対応を検討している。
 一方、産経新聞社は津田氏に取材を申し込んだが、18日午後4時までに回答しなかった。

自民・大沼氏「民主議員に倒されケガ」 委員会採決時
2015年9月19日09時20分
 安全保障関連法案が参院特別委員会で採決された17日に、自民党の大沼瑞穂議員が民主党議員に倒されてケガをしたと訴えていることが分かった。谷垣禎一幹事長は18日、国会内で記者団に「大沼氏の話を前提とする限り、国会内では異例のことだ」と述べ、参院で調査するべきだとの考えを示した。
 大沼氏の事務所によると、17日夕の採決直前、与野党の議員が委員長席に詰め寄った際、大沼氏が民主議員に両脇を抱えられ、後ろに引き倒されたという。大沼氏は国会内の医務室で右手の打撲と診断され、手当てを受けていた。
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国会で起こったプロレス [政治や歴史の話]

あのう。最初に襲いかかってるのは、クイズ大好き「アタック25小西」ですが。
「何故、クイズ王はフライングボディアタックをしたのか」の方が、正しい記事タイトルではないですか。動画を見れば、すぐ分かる話ですが。
ミル・マスカラスかと思いました(笑)。
自民党が嫌いだからといって、先に手を出した方を非難しないのは如何なものか。
多分、元自衛官だから、どんだけ叩いても構わないという意志が働いているのだろう。

普通、暴漢に襲われたら、正当防衛で、手ぐらい出しますわな。

<安保法案>「ヒゲの隊長」は民主議員の顔を殴ったのか
毎日新聞 9月18日(金)20時0分配信
 ◇佐藤氏「後ろから押さえた」 小西氏「殴られた」
 17日に参院特別委員会であった安全保障関連法案採決の混乱で、「ヒゲの隊長」こと自民党の佐藤正久議員(元自衛隊イラク先遣隊長)が民主党の小西洋之議員の顔を殴ったように見える写真が議論を呼んでいる。これは暴力だったのか。改めて2人に話を聞いた。
 佐藤氏は「後ろから小西先生が飛び込んできて、委員長の持っている紙を奪おうとしたので押さえた」と話した。写真では右拳が小西氏の左頬を捉えたように見えるが、殴ったという認識はないようだ。「当たっているのでは」と尋ねると「まあ当たっても……そうねえ、当然、来たから押さえましたよね。委員長が危ないから」。
 一方の小西氏は殴られたとの認識だ。ただし、その時は必死で気づかず、映像で知ったという。ツイッターで「故意の技巧的殴打」と表現する。
 小西氏によると、鴻池祥肇委員長が手にする議事進行表を奪おうとしたが、与党議員に囲まれ近づけなかったため、上からダイビングしたという。小西氏は言う。「議事を妨害しようとしたのではなく、憲法違反の立法を阻止しようとしたんです」【日下部聡、林田七恵】
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お手並み拝見 [国際諜報機関のプロファイル]

安保法制の話は、明日以降じっくりと書いていくので。
今日は別の話題。

小生が嫌いな政治家で、ドイツの女政治家がいる。
良い人のふりをするのも結構ですが、後で、後悔しないでね。

毎日新聞の記者もたまには良い記事を書くね(皮肉)。

引用はじめ
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メルケルさん、重い扉を開いた先、見てますか?理想が先行した通貨ユーロの「二の舞」にならないか
Wedge 9月11日(金)12時10分配信
 ギリシャの債務危機が先延ばしとなったのもつかの間、欧州に第二次大戦後、最大となりそうな難民流入が起きている。内戦下のシリアやイラクから欧州を目指す人々が8月、一気に数を増し、ギリシャなど緩い「南」の玄関口から、リッチな「北」、ドイツや英国を目指している。
 ギリシャ危機と同じく、解決の鍵を握るのはやはり大国ドイツのメルケル首相だが、今回は大盤振る舞い、年末までに80万人の難民を受け入れると宣言した。ドイツ人口の1%に当たる数字である。日本に例えれば、青森か岩手、大分などの県民人口が数カ月で一気に増える計算だ。

難民を装って海を渡る移民が増えるのは間違いない
 「難民問題でもし失敗すれば、欧州はもはや、我々が望む欧州ではない」と8月31日に謳い上げたメルケルさんは拍手喝采もの。やや古い例えだが「おいでませ、山口へ(山口県の観光キャッチフレーズhttp://www.oidemase.or.jp/)」ならぬ「おいでませ、ドイツへ」と重い扉を開き、両腕を広げた歴史的瞬間ともとれる。
 今後の難民の増減は表向きには、シリアやイラクの情勢次第と言えるが、とにかく欧州に渡りたい人々は本来、とても賢い。メルケルさんの宣言を機に、難民を装って海を渡る移民が増えるのは間違いない。少子化とは無縁で、依然多産の中東、アフリカからどんどん人が来る。メルケルさんはじめ欧州連合(EU)は、「移民との共存」という古くて新しい問題にどう立ち向かうのか。
 今逃げてきている人々は脇に置いたとしても、要は、迎え入れる80万人の果たして何人が本当の「政治難民」なのか。あるいは何割がシリア人なのか、という問題だ。
 今回は移民の玄関口をみてみる。
 欧州連合(EU)は外交や移民政策などの権限、つまり、EU全体で決めた政策をより効果的にするための基本法、リスボン条約を2009年12月1日に発効した。移民については、加盟26カ国(当時)でバラバラだった対策を統一し、より門戸を厳しくしようという話が、そのころ、EU官僚たちから流れていた。
 「これからはEUが全体で一律管理するので、違法移民の流入を抑えることができる。欧州の外からのヒトの動きを全て管理する」。そんなニュースが、当時私が暮らしていたイタリアにも伝わり、移民受け入れがかなり厳しくなるという話だった。
 だが、実際問題、管理などできるのか。私はその年末、中東、アフリカからの移民(難民も含む。以下同じ)の玄関口、ギリシャのヒオス島に「国境管理」の実態を見に行くことにした。
 島の東海岸からトルコの沿岸までは最短距離で7キロ。目と鼻の先だが、移民達は密入国を請け負うトルコ人業者に2万ユーロも払って、船外機付きボートや手漕ぎボートで島に渡ってくる。
 一応、ギリシャの港湾警察が警戒しているが、拘束は織り込み済みで、この辺りがメキシコから米国に向かう越境者とは違う。米国と違って、彼らの多くは「政治難民」と認定され、その場で追い返されることがまずないからだ。
 ヒオス市の難民担当の女性係官(当時35歳)によると、海上で密航船を見つけた警察官が「トルコに戻れ」と言っても、彼らはその場で船を壊し、救助されるのを待つ為、どうしたって追い返すことはできないという。
 驚いたのは、移民問題を担当する役人らの誰一人として、リスボン条約による対策強化を知らないことだった。
 「私たちは何も聞かされてません。リスボン条約なんてのは、中東やアフリカ人のことは勿論、国境の現実を知らないドイツやベルギー、北の国の連中が頭で考え、データをいじっただけの話。法律ばかりいくら作っても、現場を知らなきゃどうにもならない。どう止めたって、毎晩毎晩、どんどん来るんだから。見てよ、この海。ここに柵でも作れっていうの? 柵を作ったって、飛び越えてきますよ」。
 当時、55歳だった女性の市長顧問、リッツァ・リコウさんは鮮やかなワンピース姿で、半ば投げやり、半ば笑い気味にそんな話をした。

多くの人々は政治難民ではなかった
 中には本当の政治難民もいる。だが、難民収容所にいた100人ほどに会ってみると、彼らの多くが難民でないと分かった。
 アフガニスタン、クルド、パレスチナ、アフリカ諸国と出身地で住み分けしており、私はもっぱらアフリカから来た男性に出身地を聞いてみた。すると皆が皆、「ソマリアです」と答えた。だが、私が見た所、どう見ても西アフリカ、ナイジェリアか、ガーナ辺りの顔なのだ。アジア人でも日本人とパキスタン人が違うように、アフリカ人も東のソマリアと西では全く違う。
 収容所で政治的な質問をしてはいけない為、「アフリカの食べ物が恋しい?」と聞くと、「そりゃ、そうですよ」と皆笑いながら頷いた。「エグシ・スープとか、美味いからね」と私が言うと、男たちから一斉に笑い声が上がった。西アフリカの名物料理の名前を持ち出したのだ。
 「ここに来るアフリカ人は皆『ソマリア人』を語り、似たような生い立ちを話す。ソマリアの首都モガディシオで生まれ育ったが、内戦に巻き込まれ、命からがら逃げてきたという話。政治難民になる為だ。大半は嘘だと思うが、身元を証明できるものが何もないので確認しようがない。政府が機能していないソマリアにも連絡できないし。淡々と供述調書を作り、顔写真を撮り、医療診断をして、出て行ってもらう。それがここの仕事だ」。
 債務危機下のギリシャでは大卒でも定職につけるのは僅かで、移民を丁重に扱う余裕はない。「食べて泊まり、ただで医者にかかる彼らには、早い所ギリシャから出て行ってもらいたい」(市職員)というのがギリシャの本音で、玄関であっさり「難民」と認められた人達は当然ながら、実入りのいい北を目指す。

一度開いた扉を閉めるのは大変なこと
 EU当局はいま、入国管理をさらに強化すると言っているが、出先が出先だけに果たして、北の欧州基準に適うように役人が動くかどうか。
 開かれた欧州、外国人との共存は望む所だ。だが現実に、エーゲ海に密航船があふれ、移民の大量流入が起きた場合、欧州人に受け入れる度量があるのか。
 一度開いた扉を閉めるのは大変なこと。ユーロ導入の時のように、理想を語るスローガンばかりが先行し、債務危機であたふたする。そんなことが起きないのを望むばかりだ。
藤原章生 (毎日新聞記者)
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競馬好きの為のちょっと平和な話題 [今日のスポーツニュース]

ほっこりする話題。
馬にも、こうした感情があるみたい。
少し感動した。

悲しみ乗り越えたニッポーテイオー 2年前“親友”ダイユウサク急死
スポニチアネックス 8月18日(火)15時14分配信
 この地での生活は16年目を迎えた。今年で32歳だけに、実に生涯の半分を過ごしていることになる。先行力とスピードを武器にG1・3勝を挙げたニッポーテイオー。けい養先は北海道浦河のうらかわ優駿ビレッジAERU。乗馬インストラクターの太田篤志さん(29)は「今年で32歳だし、もっと注目されても良いですね。大きなケガや病気はしたことがありませんし、食欲もあります」と笑みを浮かべる。
 ただ、振り返ればスタッフを心配させたこともあった。一昨年12月、仲良しのダイユウサクが急死した為、体調を崩したのだ。「ダイユウサクがいた時は、ニッポーが兄貴分だったんです。亡くなった当日は、何でダイユウサクが出てこないんだろうという感じで、厩舎の方向ばかり見ていました。一時はしょんぼりとしてしまって、食欲も落ちましたね」。今ではすっかり回復。かつては年下でやんちゃなウイニングチケットやヒシマサルと距離を置いていたが、今ではつっかけられて逃げるなど、いくらか絡めるようになってきた。
 ところで、AERUではこの3頭が1つの放牧地で生活している。3頭とも去勢されているとはいえ気の強い牡馬、それも元種牡馬である。ケンカが始まらないかと心配になるが…。「確かにケガをする可能性はあります。ただ、一緒に走ることで運動になりますし、良い効果もあると思うんです。ニッポーもウイニングチケットの後ろに付いて走ったりしてますよ。年も年なので、こちらとしてはあまり走って欲しくないんですけどね(笑い)」。太田さんの視線の先には、放牧地を駆け回るニッポーテイオーの姿があった。若い2頭からパワーをもらい、まだまだ元気な姿を見せてくれそうだ。

 ニッポーテイオー(セン32)1983年(昭58)4月21日生まれ。父リイフォー、母チヨダマサコ。生産者は北海道静内郡静内町(現・日高郡新ひだか町)の千代田牧場。現役時代は美浦・久保田厩舎に所属し21戦8勝。うちG1・3勝、重賞7勝。類いまれなスピードを武器に昭和末期のマイルから中距離路線を席巻。4歳時の天皇賞・秋を5馬身差で制してG1初制覇。続くマイルCS、翌年の安田記念も完勝だった。種牡馬としてはインターマイウェイとダイタクテイオーがJRAで重賞V。ハルウララの父としても知られる。
 ≪乗馬やパークゴルフも≫うらかわ優駿ビレッジAERUは新千歳空港から車で約2時間半。宿泊施設のほか、体験乗馬やパークゴルフなどアクティビティーが充実している。また、7月から10月にかけて行われている日高育成牧場見学ツアー(7~9月は水曜と金曜、10月は水曜)も人気だ。近隣にはイーストスタッドと日高スタリオンステーションの2つの種馬場があり、時期によっては見学可能。丸1日かけて浦河観光を楽しみたい。
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日本国憲法と集団的自衛権 [政治や歴史の話]

小生も色々考えたが、「集団的自衛権を違憲と判断しかねない日本国憲法そのもの」が、世界の非常識なのではないかと思いつつある。
今後も、日本の喫緊の有事だけ考えていければ、確かに思考的には楽である。日本が、集団的自衛権を積極的に行使しないことを宣言することで、日本の国益に合致した時代も確かにあった。しかしながら、日本国憲法が制定されてから数十年。日本を取り巻く状況は確実に変化した。日本国憲法前文にある、「平和を愛する世界の諸国民」が、東アジアに減りつつあることは憂慮すべきことだ。
今、アジア地域で、軍事的に諸国に迷惑をかけている某国がある。某国と匿名にしているのは、武士の情けと思って欲しい(笑)。
その某国の横暴を例えばアメリカと一緒に軍事的にストップをかけることは、日本の国益に合致するのか、それともマイナスになるのか。
その某国の横暴を黙って見過ごすのが、日本の国益に合致するのか、否か。
黙って見逃すことで、アジア諸国から日本がどう思われるのか。「日本は集団的自衛権を行使できないのから、アジア有事には、軍事的に絡めませんよね」と許して貰えるのか。「アジアの有事に、憲法を盾に積極的に関与しない日本は、国力に見合った国際貢献をしない、無責任国家だ」と嘲笑されるか。
憲法を一度留保して考えるべき時に来ていると思う。
憲法を蔑ろにするのではないよ。だって、「平和を愛せない世界の諸国民」が、日本の近くに出現することは、憲法制定時には予見できなかったのだから(笑)。
憲法の想定以上のことが、日本の周囲で起こり始めている。本来ならば、憲法改正が法治国家としての筋だろうが、憲法改正となると、日本国民の現段階での成熟レベルでは、厳しかろう。
なれば、日本国憲法にとっては違憲かも知れないが、超法規的に、安全保障法を制定すること自体は、政府として、やむをえないのではないかと小生は考えている。
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安全保障関連法案、可決(2) [政治や歴史の話]

小生は、所謂ネット右翼であるし、アメリカ隷属主義者である。しかしながら、小生の足りない頭では、今後アメリカに頼らずに日本の安全保障が機能していくとはとても思えない。アメリカの軍事力が衰退したフィリピン等の状況が日本で起こらない保証が何処にあるのだろうか。小生が心配性なだけだろうか。

真の理想は、独力で国家の安全を守るべきである。そうすると、日米安保段階的廃止が筋だろう。しかしながら、そうなった段階で、またぞろ某国の意を汲んだ自衛隊軍縮論者が暗躍するのではないか。翻って、「日本が侵略されていないのは、結局、日本国内に米軍がいるからだ」という冷徹な現実がある以上、アメリカの意向にある意味従わざるをえないのではないか。これに批判する人間は、アメリカに全く頼らない安全保障プランを明示できる人間に限られる。

最近、アニメに尽力された某監督が批判を行っていたが、監督の都合でストーリーが動く程、現実は甘くない。もしかしたら、某国で自分のアニメの放映が出来なくなることを心配されたのかもしれない。

不思議なのは、軍事同盟を結んでいるアメリカを信用できないというだけで、日本が主体的にアメリカに信用されるようなアクションを起こすように、進言しないマスコミである。
又、軍事同盟を結んでいない東アジアの某国を何故無邪気に信用できるのか。小生の足りない頭に一番響いたのは、「いざという時に助けて貰う為に、アメリカが困っている時に助け船を出すのだ」という荒っぽい理論だった。

「アメリカが信用できない、信用できない」と言うが、アメリカ以上に頼もしく、信用に値する、軍事同盟を結ぶ価値のある国を実名を挙げて欲しい。まさか、アメリカの軍事的空白を突いて、フィリピン沖に人工島を建設した某国ではないよね。

日本はアメリカの属国であると、正しい指摘をした評論家は、副島隆彦氏が最初の方だと思う。属国は悲しいけれど覇権国の意向にある程度従わなければならない、という指摘は、冷徹な国際社会の現実を示している。属国は覇権国の意向を加味しながら、自国の独自色を出していかなければならない。勿論、アメリカの意を汲んで、安保法案を可決したからと言って、アメリカの完全なる下僕と化しては意味がない。日米地位協定も変えていかなければならない。日本周辺有事に関する米軍との連携も更に増す必要がある。米軍の軍事行動に参加する対価をきちんと支払って貰うことも重要だ。

アメリカ通の意見では、現状よりも、アメリカは東アジアでの軍事的プレゼンスを低下させると言う。結局、日本国憲法がどうこう言っている暇が果たしてあるのだろうか。
「アメリカ軍がアジアから居なくなりました。良かった、良かった。あれ、沖縄の離島が、某国の軍隊に占領されました。あれ、あれ」。

日本国憲法第九条が何の意味もない、単なる日本向けの立て看板に過ぎないと悟ってから、日本国憲法改憲の旗を振り始めるのだろうか。

某アニメ監督が言っていたが、「軍事力で某国は止められない」らしい。では、何で止めるのか。人間の鎖か。某国は、日本に核ミサイルを向けているらしい。やたら物騒だが、事実だから仕方がない。日本に向けられているのが、核ミサイルではなく、ロケット花火だったら、安保法案など要らず、小生もぬくぬくと生きていけるのですが。
又、日本の周辺国が、敵意など何もない、お釈迦様みたいな人々が住み給う国ならば、何の心配もいらないのですが。
何かと言えば、世界遺産登録を妨害したり、日本の領海侵犯を繰り返す卑劣漢が住み給う国が日本の周りには多うございます。そういう国々と仲良くするのも、一法ではありますが、それよりも、油断なく監視の眼を向け、牙を研いでおく方が、正しい大人の態度というものでありましょう。

宮崎駿氏、辺野古移設で訴え 「県民の願いは基地撤去」
2015/07/13 12:47 【共同通信】
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設をめぐる問題で、反対する市民運動を支援している「辺野古基金」の共同代表を務めるアニメ映画監督の宮崎駿氏が13日、外国特派員協会所属の記者と会見し「多くの沖縄県民が基地を撤去したいと願っている」と訴えた。
 同協会が、会見の様子をホームページで公開。宮崎氏は、東京都小金井市のスタジオで「沖縄県民の半数以上が辺野古移設に反対している。永続的にあらゆることをしていく」と基金の活動について話した。
 国会で審議中の安全保障関連法案には「軍事力で中国を抑えることはできない」と指摘した。
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安全保障関連法案、可決(1) [政治や歴史の話]

安全保障関連法案が、可決された。
人間というものは、やはり複眼的な視点を持つべきだと言われるが、事実上不可能なのだと思う。
小生を含め、安全保障関連法案賛成論者は、憲法と安保法案の整合性よりも、日本を取り巻く環境の変化の方に重きを置き、ある意味、憲法軽視の姿勢を打ち出している。
逆に、安全保障法案反対論者は、憲法を重視し、国際情勢の変化には触れようともしない。

小生は極論すれば、憲法軽視論者である。というのも、結局、日本国憲法は、日本国内にしか通じない内向きの論理でしかない。日本を取り巻く環境の変化に対応するようには出来ていない。だから、普通の国ならば、国際情勢の変化に合わせて、憲法を適宜修正するなり、追加条項を認めるべきなのである。
例えば、「日本は憲法第九条があるから、軍事力は保持しませ〜ん」と叫んでいても、諸外国には紙のつぶて以上の効果は乏しいだろう。蒙古襲来よろしく、諸外国が日本を侵略してきた際、神風が吹くことを祈るのだろうか。

ここからは、憲法学者への批判なのだが、小生には、安保法案反対の憲法学者の言説がどうも馴染めなかった。というのは、日本国憲法は日本人が遵守すべき最高法典なのは小生も理解はしていたが、国際情勢が70年前と大きく変化している状況の中で、憲法解釈のみで、今後もやっていけるのかと言う疑問に明確に答えてくれる意見がなかったからである。
「安保法案は今までの憲法解釈外だから違憲だ」と言われたが、憲法第九条に明確に違反している自衛隊を事実上認めている段階で、憲法第九条は、半分以上骨抜きになっているのではないか。
憲法学者は、第九条以外の条文から自衛隊を合憲と渋々認めてはいるが、それも、国家の自衛権すら認めないような憲法は欠陥品と国民に思われかねないので、無理くり捻り出した憲法解釈の一例ではなかったのか。一瞥して、国家の自衛権があることが分からない憲法がそれ程優秀な憲法とは思えないのだが。
そもそも小生は、憲法学者の中に、憲法第九条を盾に自衛隊の創設を妨害していた人々がいたことを知っている。今回の反対劇も、結局、あの時の、「憲法第九条に違反するから自衛隊はいらない」と叫んでいた憲法学者と大して変わらないと感じるのは小生だけだろうか。

憲法学者は、「国際情勢の変化は私は門外漢」として、言及を「巧妙に」避けている。憲法学者が、真の学ぶ者であったら、改憲せずに憲法解釈で今後も押し通せるとは思えない筈だが。

今回安倍総理は、成立させたが、素晴らしい判断だったと思う。小生は、日本国民を基本的には信用しているが、安全保障論議にはまだまだ向かないピュアな民族だと思っている。某国の東シナ海での野蛮な行為、某国の日本人拉致問題を考えれば、中々現在の日本国憲法やその解釈では厳しいと気付かなければならないと思うのだが、全国の反対運動を見ると、やはり日本の周囲の状況には目がいかないのかなと感じてしまう。
本来ならば、国際情勢を鑑み、日本国憲法改憲に踏み切るのが筋だろう。しかしながら、国際情勢の変化に対して、憲法解釈の変更を試みた政府に、これだけ罵声を浴びせる憲法学者、マスコミ、日本国民がいるようでは、残念ながら憲法論議など出来そうにない。
安倍総理には悪者になって貰うしかない。不完全ながらも、憲法より上位の安全保障法制を整備して、嫌でも、日本を世界の現実に触れさせる方が良策だと小生は考えている。勿論、安倍総理はアメリカの意向を汲んで、安保法案を勧めたのも、事実だろう。アメリカと共に軍事行動をとれば、自衛隊員に戦死者が出る可能性が非常に高まる。ただ、「自衛隊に戦死者を出させない」と声を荒らげている人間の多くは、結局は、憲法を護ることによって、自衛隊を曖昧な存在のままにしておき、日頃は敬意の念もないが、災害時や緊急時には都合良く使ってやろうと考えている。

又、「アメリカは、アメリカの国益の為に軍事力を行使する。だからアメリカは信用できない」という意見も耳にする。だが、こういう人に限って、日本と軍事同盟を結んでいない東アジアの軍国主義国家を無邪気に信用していたりする。
アメリカはいざという時に日本を守る保証はない。さすれば、アメリカが日本の危機の際、確実に動いてくれるような法整備をするなり、日本国憲法には残念ながら違反するかもしれないが、アメリカの軍事行動に協力して、アメリカに恩を売っておくことも必要だろう。
「いや、日本はアメリカには守って貰いたいが、憲法上、アメリカの軍事行動に同調は出来ない」という意見もあるが、この意見、アメリカ人が聞いたら、どう思うだろう。「全く、日本人は自分達の都合ばかり考えて」と思うのではないか。

「国民の理解進まず」=安倍首相
時事通信 7月15日(水)10時9分配信
 安倍晋三首相は15日午前の衆院平和安全法制特別委員会で、安全保障関連法案について「残念ながら、まだ国民の理解は進んでいる状況ではない」と認めた。
 その上で「これからさらに国民の理解が進むように努力したい」と述べた。民主党の大串博志氏への答弁。
 安保法案をめぐっては、石破茂地方創生担当相も14日の記者会見で「国民の理解が進んだと言い切る自信はない」と述べた。首相の答弁に対し、大串氏は「看過できない発言だ」と反発した。
 これに関し、菅義偉官房長官は15日の記者会見で、「自衛隊発足や国連平和維持活動(PKO)参加、日米安全保障条約改定など、極めて世論が厳しい中であっても、責任ある政府が法案を国会で通し、平和な国をつくり上げてきた。引き続き丁寧に説明をしていく」と強調した。

安保法案、16日衆院通過=安倍首相「今後も丁寧に説明」―5野党、採決退席へ
時事通信 7月15日(水)14時50分配信
 安全保障関連法案が衆院特別委員会で可決されたことを受け、衆院議院運営委員会の林幹雄委員長(自民)は15日の理事会で、16日に本会議を開いて安保法案を採決することを職権で決めた。
 自民、公明両党は9月27日までの今国会での成立を確実にするため、16日中の衆院通過を譲らない構え。法案に賛同する次世代の党を除く野党は強く反発、採決を退席する方針だ。
 委員会での法案可決後、安倍晋三首相は15日、首相官邸で記者団に対し、「国会での審議はさらに続く。国民に丁寧に分かりやすく説明していきたい」と述べた。菅義偉官房長官は記者会見で、「わが国を取り巻く安全保障環境が極めて厳しくなっている中、必要な法案なので、16日の本会議で可決し、参院でもしっかり審議を行う方向に進んでいる」と語った。
 安保法案は、集団的自衛権行使を容認し、自衛隊の海外での活動を大幅に拡大することが柱。成立すれば、戦後の安全保障政策の大転換となる。
 ただ、衆院憲法審査会に出席した自民党推薦を含む憲法学者全員が安保法案を「違憲」と明言。報道各社の世論調査でも反対や慎重な意見が多い。法案内容に対する国民の理解は進んでいないことから、野党各党は成立を急ぐ政府・与党を批判。15日の衆院特別委では、野党が猛抗議する中、与党が単独で法案を採決した。
 与党はこの後の議運委理事会で16日に本会議を開いて安保法案を採決することを提案。「議論が尽くされていない。特別委に差し戻すべきだ」などと反対する野党側と断続的に協議したが折り合わず、林委員長が職権で日程を決めた。
 これに対し、民主、維新、共産、生活、社民5党は15日、国会内で党首会談を開き、衆院本会議では抗議の意思を示すため、政府案の採決では退席することを確認。民主、維新、共産3党はそれぞれ本会議での討論には臨み、政府案への反対を表明する方針だ。
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昨今の安全保障論議 [政治や歴史の話]

昨今の安全保障論議を見ると、日本は、まだまだ、安全保障論議をできる知性と知識が足りない、ピュアな民族だと感じてしまう。
小生は、基本的に、集団的自衛権賛成派であるし、日本国憲法改正派である。
多くの憲法学者達が盛んに、「安保法制は、憲法違反」と叫んでいるが、60数年前に制定された現日本国憲法が、時代に即していないのならば、改憲は、一つの選択肢であろう、というのが、小生の考えである。
どれだけ、現憲法の内容が優れているか知らないが、あの当時、日本国憲法の制定に、日本人が深く関与できたとは考えずらい。それ故、日本人が現憲法を発展させる形で、現実に即した憲法を制定するのは決して悪いことではない筈である。
憲法学者が、単なる知識の遊戯ではなく、真の学者ならば、「現憲法がこの点は現実に即している。又、この点は現実に即していない。だから、この点は、憲法解釈を変更すべきである。又は、追加条項等の特例を設ける」といったことを国民に説明しても良いのではないか。
憲法学者は、そういう説明はせずに、安保法制反対しかしていない。国際情勢の変化等は全く無視して、日本国憲法ではこう書いてあるという話しかしない。学者とはそういう者なのだろう。だとすれば、学舎の中でマスターベーションに興じていた方が宜しかろう。
例えば、今回の安保法制に反対している学者の中には、集団的自衛権ではなく、個別的自衛権も憲法違反だと解釈している人々もいる。こういう状況を見ると、国民の安全保障よりも憲法が大事な憲法学者がまだいるのも事実だろう。
又、自衛隊創設時や、安保闘争時に、憲法を盾に、自衛隊の創設や日米安全保障条約に反対していた学者達を小生は知っているが、今回反対している憲法学者達が、あの当時のピュアな憲法学者達と脳の構造が一緒でなければ、幸いである。
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中国が望む形の「日中友好」は、多分もう無理だろう [政治や歴史の話]

小生は、たまに左翼系の書籍を買うことがある。
アマゾンで、100円ぐらいの値段が付いている時のみだが(笑)。
やはり、敵の論法や内情も知らないとね。

さて、左翼系の書籍を買おうと思ったら、とびっきりの書評があった。小生が常々考えていることを的確に書いてあった。この文章以上に自分の考えを的確に表現する自信がない。
そこで引用してみたい。若干、語句を補っているが、ほぼ原文のままである。何の書籍であったかは、敢えてここでは書かない。

引用はじめ
ーーーーーーーーー
戦後左翼知識人による典型的自虐史観の本, 2014/12/5
老人二人の無意味な対談。以下要約する。
「安倍政権は、戦後最大の危機。ファシズムが戦争ごっこをしたがっている。愚かで貧しい層が、平和の尊さと戦争の悲惨さを知らないから、そんな気をおこすのだ。安倍は論理と恥がなく、矛盾だらけで権力の濫用をしている。僕等は民主党を支持したい。中国や韓国の反日は日本のせい。日本が反省と謝罪せず、責任追及が足りてないのが悪いのだ。日本は戦後処理が不足しているのに、過去の歴史を美化し正当化し、被害者意識が強くなりナショナリズムを高めている。もっと中国側の歴史的事情を汲んでやるべき。もっと日中友好をスローガンに掲げる政党が出てくるべき。文明の源である中国への敬意を持つべき。中国蔑視なんてとんでもない。憲法第9条を守れ。日中友好になれば集団的自衛権なんか必要ない。償いこそが日本の平和に繋がる」。

つまり、この老人二人は、日本さえ身を正せば世界は平和になるという妄想に取り憑かれているのだ。
反省謝罪すれば隣国と仲良くなれる。友好を掲げ、憲法第9条を守れば平和になる。敵意じゃなく敬意を持てばうまくやれる」。
そんな甘い訳がない。こっちが善意だろうと身を正そうと関係なく、相手の政治的都合次第で反日をやる。彼らの感覚では、周辺国はすべて属国。相手国が弱ければ襲い、強ければ引くだけ。

相手があくまでも侵略の意志を固めている場合、公正な解決を求めて平和的手段に訴えることが如何に弱いものであるかは、歴史の教訓に明白に示されている。この教訓に疑問を投げかけるような例外は、史上に知られていない。
(引用者注=フィリピンの、南シナ海のスプラトリー諸島での人工島建設を進める中国への抗議等)

妄想平和主義者は「日本が憲法第9条を護って、他国への攻撃力(=打撃的防衛力)を持たなければ戦争にまきこまれない」というファンタジーの世界で生きている。
つまり、彼らは最初から戦争という選択技を一切放棄しているのだが、これは平和主義ではなく、単なる敗北主義であり、「戦わずして負ける」という亡国的思想である。
いざという時にも戦うことのできない国、戦う選択肢を自ら放棄した国は、いつの日か必ず敵国兵の軍靴に踏みにじられて隷属国となり果て、やがては世界地図からその国名が消える定めにある。

「戦争の悲惨さを知らないから、戦争をしたがっているのだ」という見方も、とんでもない誤解である。悲惨さを知れば誰もが平和を望む訳ではない。アメリカ人に悲惨な原爆の写真を見せると、「凄い威力の武器だ。やはり核は必要だ」と考えるそうだ。
愚かであるから戦争を望むのではない。こっちが望むか望まないかは関係がない。
誰だって人殺しは嫌だ。しかし、こっちが戦争したくなくても相手が仕掛けてくることがある。
私は自分の安全を守りたいから、強い国を望むだけ。私に隣国を侵略してやろうという意図はない。
自分の国を守るという当たり前の権利を、「戦争するのか!」と批判するのはおかしい。どうしろと言うのか。無抵抗でやられたままでいろと言うのか。
実際、危険が身に迫ってきた時、憲法第9条信者達はどう反応するのだろうか。
無抵抗で逃げ惑うだけだろう。憲法第9条信者は私を見捨てる卑怯者になるだけだ。

「敵視をやめ、憲法第9条を守って、友好を叫べば、平和になる」という考えもおかしい。
北朝鮮に、「日本は平和憲法を持っているので攻撃しないでくれ」と言っても通用しない。「どうせ日本は仕返ししてこないから、ミサイルでも飛ばしてみよう」と考えている。
チベットやウイグルが友好を叫んでも、中国は侵略をやめない。
自虐史観と妄想平和主義で国民を誤導しようとする左翼勢力が「平和憲法で国を護ろう」などと妄言をいくら叫ぼうとも、もし韓国が日本国憲法第9条と同じ条項を自国憲法に規定していたとすれば、北の南侵はなかったのか、チベットが第9条を、クウェートが第9条を規定していたら侵略や攻撃を受けなかったのか、答は言うまでもない。
日本が戦後この方、ソ連や中共の攻撃・侵略を受けなかったのは、日米安保が有り、まがりなりにも自衛隊が存在していたからだ。それ以外の理由は一切ない。

「中国は文明の源の国だから敬意を持て」という言い方もおかしい。
だったら欧米諸国は皆ギリシャに敬意を持ち、遠慮するのか。そんな訳はない。

「友好」の状態も、日本人が考える友好と、中国の考える友好の違いに気がつくべきである。中国の考える友好状態は、対等状態ではない。日本が中国に服従同化することが、友好状態と考えている。共存・共栄どころか、強者による征服である。

「日本は反省謝罪が足りない。償いすれば平和になる」という認識もおかしい。敗北の原因を追求し反省改善することは大事だが、謝罪するべき歴史などない。今まで不要な謝罪をしてきたからこそ友好を損ねてきたのだ。間違った歴史を記憶し反省しても、害にしかならない。歴史の反省や謝罪をすればするほど、関係は悪化する。中国や韓国は日本を軽蔑し、益々侮辱するようになる。日本では頭をさげる人は尊敬されるが、中国や韓国では軽蔑の対象となるのだ。

中国韓国の反日感情は、実体験によって醸成されたものではない。戦後に政治的に作られた記憶である。そういう相手国の悪意に目をつぶり、日本側の誠意ばかり求めるのはフェアではない。

この老人二人は、中国韓国を美化しすぎだし、歴史を知らなさすぎる。知識が偏っているし認識も的外れ。「日本がちゃんとしても仲良くできない」と認識を改めるべきだ。
頑固そうな老人なので、脳内を更新することは難しいであろう。せめて柔軟な思考を持つ若者は、老害に惑わされないで欲しい。
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愛国者の今日の結論 [政治や歴史の話]

韓国が求める謝罪とは、いつまでも日本が頭を下げ続ける。
そしてあらゆることに関して日本が下手にでなければいけないという日韓関係が韓国のお好みだ。
その韓国も、ベトナム虐殺事件に関して、謝罪を求められたが、拒否した。日本に対する攻撃性と全く逆だ。
今まで、日本に対して、「謝罪しろ、謝罪しろ」と発言してきたが、どれほど、聖人君子のような生活をしていたのか。やはり悪事が暴露されると、逆上するのが韓国だ。日本に対してあれほど謝罪を求めていたのだから、ベトナムにもきっちりと謝罪と金銭的賠償をするのが筋というものだろう。

先日、ドイツの雌豚が、日本に関して、「謝罪が足りない」と、うだうだ言ってきたが、自分達もギリシャからナチス問題に関して、攻撃を受け始めた。日本にでかい面をするということは、この問題に関しても真摯に対応するんだね。

いい加減、他国の歴史のことに関して言うのは筋違いではないのか。
自分達もきっちりとドイツ人の問題としてあの問題を解決したのか。結局、ナチスに責任を押し付けて、ドイツ人は免責したのが本当の所ではないのか。
それを巧妙に宣伝して、日本の左翼は、「ドイツはきっちり反省している、日本はなっていない」という論を展開してきた。それが本当だったならば、ギリシャから、ああいう発言は出てこないのだが。

結局、何処の国も多少は自分の国を美化して、免責しようとする。それは決して間違ったことではない、人間として普通な心情なのだ。殊、歴史に関しては、どちらかが一方的に悪く、どちらかが一方的に良いということはない。
例えば、日本はアメリカに対して原爆や東京大空襲に関して、あまり言ってこなかった、それは決して日本が反省しているからではなく、国家というものは、人間の集まりである以上、悪いことをしたり、良いこともしたりする。そういう相互関係で成り立っていることを、日本人は知っているからだ。多くの国もそうしている。それを知らないのが、中国と韓国と北朝鮮だ。

今、日本では、「日本人が劣化している」という発言をよく聞く。主にサヨク陣営(=売国陣営)から聞こえてくるが。それをよく聞いてみると、結局、日本が反省するの止めたことのが劣化したということになっている。例えば民主党の岡田某は、「安部首相は過去の戦争に対して真摯に反省していない」と最近も発言しているが、一体どちらの味方なのだろう。日本の味方なの、東亜三馬鹿トリオの味方(=手先)なの。
過去を反省し続けることが、果たして優秀な人間なのだろうか。過去を反省しなくなると、劣化したことになるのか。小生にはさっぱり分からない。

韓国のベトナム大虐殺を告発する 歴史を悪用する報い
産経新聞 2014.6.3 10:25
強姦しまくり「ライダイハン」…正論7月号に詳報
 慰安婦問題で日本を執拗に攻撃する韓国だが、彼らの歴史は他国を一方的に断罪できるほど道徳的な高みに立つものなのか。ベトナム戦争に出兵した韓国軍による住民虐殺について現地で調査した北岡俊明・北岡正敏両氏のリポートを読めば、その答えは明らかだ。北岡氏らが現地で目にしたのは、虐殺された住民ら一人一人の名前を記した慰霊碑や、虐殺の模様を描いた壁画など無数のモニュメントだった。1桁の年齢が並ぶ犠牲者の慰霊碑には言葉を失う。
 東京基督教大学教授の西岡力氏の「真の敵-『慰安婦』で蠢く反『日米韓』勢力」は、その韓国軍の虐殺行為を韓国内で告発している団体が慰安婦問題で日米韓の分断を謀る親北朝鮮勢力であることを明らかにしている。日本はそうした目論見は意識すべきだが、彼らの扇動に乗せられてきた韓国にとっては、どれだけ“ベトナム”で国際的非難を浴びても自業自得なのだ。
 歴史の捏造に現を抜かすと真実を忘れて恥を晒すことになる、という見本が中国だ。平成10年に来日した江沢民・中国国家主席(当時)は、宮中晩餐会に中山服(人民服の一種)姿で臨んで物議を醸した。天皇陛下への答礼で歴史問題を持ち出して我が国を誹謗した江氏が標準的礼服を着用しなかった意図は明らかだが、中山服のルーツを知れば「引き破ったかもしれない」と近現代史研究家、田中秀雄氏は指摘する(「日本を戦争に引きずり込んだ中国の卑劣挑発」)。中山服の考案者は、憎いはずの日本陸軍の将校だったのだ。(小島新一)
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親身のアドバイスでないのなら、発言するな [政治や歴史の話]

もう少し前に書くべきだったが、書き忘れないように。
数ヶ月前、ドイツのアバズレ(失礼!)が、日本に、歴史に関して説教してくれた。有難う!
でも、ギリシャから、36兆円の損害倍賞の話が持ち上がりました。
日本に説教する「優等生」のドイツのことですから、ちゃんと支払うんでしょうね。

ドイツが最近、日本を批判するのは、「ドイツが経済的に中国と親密な関係になりつつあること」、「たとえ中国が軍事的火遊びをしても、ドイツは地理的に無関係であること」、「中国のロビー活動で、ドイツに反日ムードが広がっていること」、「日本の慰安婦問題等が世界でフレームアップされればされる程、ドイツ人が過去に行った戦争犯罪のイメージが払拭されること」、この4つの理由が考えられる。
こういう理由で、日本に説教してくれるんだから、ドイツ人って、有難いね!

多分、売国奴の岡田氏の前で、したり顔で説教したんでしょう。
「日本は遅れてるザマス」とね。これに反論せず、「そうですなあ」と頷く岡田の売国奴ぶりも、二重丸です。
きっちり日本を馬鹿にしたんだったら、後から、訂正すんな、このビッチが。

最後に日本経済新聞の記事を珍しく引用した。
小生は、あまりあの新聞を評価はしていないのだが、この記事は比較的シャープだと思い、引用した。

記事内に、「昨秋から積もり積もった不信感を伝えようと爪を研いでいたドイツ」と言う部分があった。ここに違和感があった。「別に日頃ドイツをどうこう意識することなど、普通の日本人はないよな。最近は、ドイツで、日本人のサッカー選手が活躍しているのが嬉しい」ぐらいしか思わなかったのだが。
勝手に日本に不信感を持つのは勝手だが、「ドイツは上手くやっているが、日本はなっていない」とか日本の野党関係者やメディアに言うのは、それ以前に深い信頼関係が合って、はじめて言えるセリフだよね。

思うに、ドイツは勘違いしていると思う。
「俺達は、歴史問題を解決した良い手本だ」。
そう彼らが思うのは勝手。上手くナチスに罪を被せたもんな。しかしながら、でかい態度で、日本を指弾するのは、如何なものか。

「歴史問題を政治利用したものは、必ず、歴史問題で、報復される」。
ギリシャの賠償額は荒唐無稽なものだが、歴史問題を解決した手本を自認するドイツのビッチに幾ばくかの冷水となれば幸いである。

日本が『右傾化』したと見るドイツ国内の雰囲気が背中を押した」とあるが、日本が右傾化しているは、間違いなく事実である。やっと戦後の悪しき因襲(=サヨクウイルス)を駆除しつつある。
これを右傾化と言うのなら、どうぞご自由に。

日中韓の争いを本当に心配しているという事情もある。『東アジアでは軍事衝突のリスクがあると思っている』。そう語るドイツの政治家は少なくない。和平をもたらしたいという純粋な気持ちから日本にも口を出した」そうだが、大きなお世話だと言いたい。
アジアの軍事リスクを高めているのは、今、ドイツが一番親交を深めつつある某国ではないのか。
和平を壊そうとする本体とズブズブの関係の君が、アジアの平和に何が言えるのかい。

今度、ドイツ関係の本でも購入してみようかな。

引用開始
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独首相、慰安婦問題「きちんと解決した方がいい」 民主・岡田代表との会談で
産経新聞 2015.3.10 13:07
 ドイツのメルケル首相は10日、都内のホテルで民主党の岡田克也代表と会談した。メルケル氏は自ら慰安婦問題を取り上げ「慰安婦の問題などは、きちんと解決した方が良い。和解をすることが重要だ」と語った。会談後、岡田氏らが党本部で記者団に明らかにした。
 外相経験者の岡田氏は会談で「日本は中国や韓国との和解が成し遂げられたとは言えない。過去の総括が出来ていないからだ」と述べた。その上で、「ドイツの場合はナチスの犯罪として比較的、過去に向かいあうことが日本よりやりやすかったのではないか」と尋ねた。
 岡田氏や近藤洋介役員室長によると、メルケル氏は、「過去に完全に決着をつけるのは不可能だ。常に過去と向き合っていかなければならない」と強調。また、「若者達が自分達を見つめなおし、ナチスがやったことについて自分の頭で考えた」とも説明したという。

メルケル「和解」発言 民主・岡田氏は「紛れもない事実」と反論
産経新聞 2015.3.13 20:02
 メルケル独首相が民主党の岡田克也代表との会談で「(日韓関係は)和解が重要」と発言したことを独政府が「事実はない」と否定したことを受け、岡田氏は13日、「(メルケル氏から)問題を解決した方がよいという話があった。「私もかなり丸めて言っているが、(メルケル氏が)慰安婦問題を取り上げたことは紛れもない事実だ」と述べた。国会内で記者団に語った。会談内容を独政府と岡田氏がそれぞれ否定する異常事態となった。
 岡田氏によると、独政府は民主党に「何も言ってきていない」という。
 岡田氏は「和解が重要」発言について「(メルケル氏が)一般論としてドイツの話を説明していく中で日本についても言及した。そういう説明をしたということは、日本のことについて当然念頭に置いて発言しているということだ」と説明した。
 メルケル氏の発言をめぐっては、菅義偉官房長官は13日の記者会見で、独政府から「メルケル首相は岡田氏との間で過去の問題について日本政府がどうすべきかとかいうような発言を行った事実はない」という指摘を受けたことを明らかにした。
 会談は10日に行われ、会談後に岡田氏や同席した民主党議員が記者団に会談内容を説明した。

【編集日誌】ギリシャとあの国
産経新聞 2015.4.9 07:23
 ドイツは先の戦争を深く反省し、しっかり賠償したので近隣諸国と和解できた、という俗説があります。それにひきかえ日本は、というのが隣国やわが国左派系知識人の口癖ですが、果たしてそうでしょうか。
 ギリシャ政府は、ナチス・ドイツによる第二次大戦中の占領で36兆円の損害を受けた、としてドイツ政府に巨額の賠償を要求しようとしています。
 敗戦直後、東西に分断されたドイツは、ギリシャを含む欧州各国などと講和条約を結べませんでした。その間隙をつこうとしているようですが、ドイツは「賠償問題は法的にも政治的にも解決した問題だ」とにべもありません。
 どちらに理があるかは一目瞭然ですが、同じような難癖をつけている国がありますね。まるでギリシャ人のようだ、と彼らに言えばきっと喜ぶでしょう。(編集長 乾正人)

メルケル独首相が訪日で犯した3つの過ち
ベルリン支局 赤川省吾
日本経済新聞 2015/3/18 7:00
 7年ぶりに訪日したドイツのメルケル首相は、歴史認識やエネルギー政策で安倍政権に次々と注文を付けた。昨秋から積もり積もった不信感を伝えようと爪を研いでいたドイツ。だが信頼関係もないのに、いきなり本題を突きつけるというドイツ流を押し通したことで、日独関係には大きなしこりが残った。ただ視点を変えれば、たまっていた悪材料が出尽くしたとも言える。瀬戸際の日独関係を修復するには双方が努力するしかない。

従軍慰安婦問題で安倍政権牽制
 9日の首脳会談後の記者会見だった。「アドバイスするために訪日したのではないが、ドイツがやってきたことは話せる」。日中韓が歴史認識で争っていることについて問われたメルケル首相は、どのようにドイツが「過去への謝罪」に取り組んだのかを安倍晋三首相の前で語り始めた。「アドバイスではない」と前置きしたものの、誰に何を求めているのかは明らかだった。
 久しぶりの訪日というのに、わざわざ歴史認識に言及したのは何故か。
 日本が「右傾化」したと見るドイツ国内の雰囲気が背中を押した。メルケル首相の訪日を伝える公共放送ARDは看板番組の夜のニュースで安倍政権を「右派保守主義」と表現した。極右ではないが、国粋主義的な色彩がある時に使われる言葉だ。こうした政治思想は「国家保守主義」とも呼ばれ、ドイツでは第2次大戦前に活躍し、ナチスの政権掌握に手を貸した右派政党の「ドイツ国家人民党」がこれにあたる。日本でいえば、NHKの夜の7時のニュース番組で、そうした右派政党と安倍首相が率いる自民党を一括りにするほど風当たりは強い。
 日中韓の争いを本当に心配しているという事情もある。「東アジアでは軍事衝突のリスクがあると思っている」。そう語るドイツの政治家は少なくない。和平をもたらしたいという純粋な気持ちから日本にも口を出した。外交政策に自信を持つようになったドイツは、イランやイラクなどの中東和平にも積極的に関わっている。
 最もドイツは安倍政権の発足当初から歴史認識を問題視していた訳ではない。むしろ関心が高かったのはアベノミクスの方だった。当時は日本の財政赤字が膨らみ、世界の金融市場が混乱するという危惧があった。その証拠に2014年4月のベルリンでの日独首脳会談では、歴史認識には殆ど焦点が当たらず、アベノミクスの進捗状況に注目が集まった。
 空気が変わったのは昨秋のことだった。従軍慰安婦問題を巡って日韓が争っている所に、自民党が朝日新聞社を厳しく追及したことがドイツに伝わり、日本への不信感に拍車がかかった。「報道の自由が抑圧されている」。独政府・与党の取材先は異口同音に語った。
 そこでドイツは異例の決断を下す。自ら従軍慰安婦問題の火の粉の中に飛び込み、安倍政権を牽制することにした。敢えて朝日新聞社で講演したメルケル首相は「(政府は)様々な意見に耳を傾けなければならないと思う」と発言した。「日本に対する警告」(シュピーゲル誌)と独メディアも伝えた。
 ドイツ国内では訪日は成功したように映る。メルケル首相は歴史認識と脱原発について繰り返し触れた。安倍政権は周辺国と仲違いし、「民意を踏みにじって原発を再稼働しようとしている」(独紙フランクフルター・アルゲマイネ)というのがドイツの共通認識。そんな安倍政権をけん制したことをドイツメディアは好意的に報じ、留飲を下げた。
 だが、せっかくの訪日だったにも関わらず、日独友好は遠のいた。独政府筋は「日本とドイツは価値観を共有し、民間レベルの交流も盛んだ。だからこそ本音をぶつけても大丈夫」と言うが、本当にそうだろうか。

「友好」と「批判」のバランスを欠く
 今回の訪日でドイツでは日独の疎遠さだけがあぶり出され、日本のイメージが更に悪化した。筆者は幼少時代の1970年代にドイツに渡り、それから40年近くにわたって日独を行き来しながら両国の関係を追ってきたが、日本への冷たい視線を今ほど肌に感じたことはない。11日、出張先からベルリンに戻る機中でたまたま隣り合わせになったドイツ人の大学講師は初対面だったにも関わらず、日本を面罵してきた。「男性優先の日本では女性の地位が著しく低く、吐き気がする」。連日のように報じられる日本批判を読んでいれば、そう考えるのも無理はない。こうした状況に対する危機感は、今の独政府にはない。
 原因は日独の双方にある。日本がドイツとの意思疎通を怠っている間に、ドイツでは安倍政権の財政・金融政策やエネルギー問題、それに歴史認識への不満がマグマのように溜まった。今では北部欧州の多くの国がドイツに同調する。オーストリア政府筋は「対日関係が悪くなるから表だって言いたくないが、ドイツの批判は理にかなっている」と言う。成長力を取り戻すのに役立った構造改革や財政再建のやり方、それに戦後70年にわたる「過去への謝罪」などドイツの経験から日本が学べることは確かに多い。
 その一方でドイツも3つの過ちを犯した。
 一つはメルケル首相の訪日日程で「友好」と「批判」のバランスを欠いたこと。学識経験者らと脱原発を議論し、朝日新聞社を訪れ、首脳会談で歴史認識に言及した。民主党の岡田克也代表とも会った。対日批判が漏れやすい予定が多く組み込まれた一方で、「友好」のシンボルと呼べるのはせいぜいドイツ系企業の工場や二足歩行ロボット「アシモ」の視察などにとどまった。
 今の日独は共通の話題を見つけるのがやっとの状況。国際会議で同席した際、メルケル首相がアベノミクスの先行きについて安倍首相を質問攻めにしたこともあったという。そんな薄氷の関係だったにも関わらず、「友好」というつっかい棒を用意せず、多くの「批判」を氷の上に載せた。認識が甘かったと言わざるを得ない。
 友好関係も築けていないのに「主張を伝える」という欧州流の外交に拘ったことが2つめの誤りだ。ドイツは日本を名指しして批判するのを避ければ、歴史認識に言及しても波紋を広げることはないだろうと高をくくっていた。ドイツなりに配慮し、「礼儀正しく批判した」(南ドイツ新聞)つもりだった。それゆえメルケル発言に日本が敏感に反応すると独政府は戸惑った。在日大使館ですら日本を知り尽くした知日派が細り、日本の実情にあわせた微妙な匙加減ができない。
 外交日程を見ても日本の国民感情が分かっていない。英国のウィリアム王子は東日本大震災の被災地を訪れ、好印象を残した。だがメルケル首相は9~10日に東京周辺のみを訪れ、震災から4年となる3月11日を目前にして離日した。「日程が詰まっていて被災地訪問は無理だった」と独政府筋は釈明するが、帰国を半日ずらして犠牲者に黙祷を捧げる姿を見せたならばドイツへの印象は変わっていただろう。大きなチャンスを逃した。
 だがなんと言っても最大のミスは、準備万端ではないのに歴史認識に触れたことだった。

日独の立場の違いがようやく明確に
 それはメルケル首相と民主党の岡田代表との懇談からもにじみ出る。「きちんと解決した方がいい。日韓は価値を共有しているので和解をすることが重要だ」。岡田代表は従軍慰安婦問題についてメルケル首相が、そう口にしたと語った。だが日本の国内外での論争に巻き込まれかねないと分かった途端ドイツ政府は慌てた。「そんなことは言ってない」(ザイベルト報道官)と火消しに回り、岡田氏は梯子を外された形になった。どこまで具体的に踏み込んだかは別として、昨秋からの独政府の空気を読めば歴史認識に触れた可能性は高いと言わざるを得ない。歴史認識に少しでも言及すれば日本で与野党の駆け引きに利用されたり、日中韓の争いの火に油を注いだりするのは分かりきっていたが、毅然とした態度を貫く勇気も覚悟もドイツにはなかった。
 専門知識を持つ人材を重用し、緻密に計算をした上で大胆な一歩を踏み出すというのがドイツ外交の特徴だった筈だ。東部ウクライナの停戦仲介では、ドイツは専門家を集めて対策を練り、首脳レベルだけでなく、閣僚・次官級でも折衝を重ねた。ロシアとウクライナの双方を様々なルートで粘り強く説得した。だが訪日では準備不足の感が拭えない。歴史認識の解決をドイツが本当に後押ししたいなら、官民に散っている知日派を結集した専門チームを立ち上げ、ドイツなりにビジョンを描くぐらいの気概を持つべきだった。ドイツ自身がメルケル氏の発言の重みを自覚していなかったのではないか。
 冷え込んだ日独関係が修復されぬ内から、中途半端に歴史認識問題に口先介入したツケは重い。6月に主要7カ国(G7)の首脳会議のために安倍首相が訪独、来年には日本でのG7会議のためにメルケル首相が再び訪日する。そのたびに歴史認識を話し合ったかどうかが焦点になり、日独関係の重荷になる。
 もっとも前進したことは一つだけある。独日の立場の違いがようやく明確になった。これまでは、それすら日本では認識されていなかった。日本がドイツの意見に真摯に耳を傾ける一方で、ドイツも稚拙な対日外交を修正するのがあるべき姿。相互理解と歩み寄りで距離を縮めていくしかない。
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朝鮮日報の記事(4) [政治や歴史の話]

小生が最近思うことは、「尹長官は、日本に過去の問題をすっきりと解決する『黄金の機会』を逃すなと警告した」と言っていたらしいが、これは結局、「日本は未来永劫謝罪し続けろよ」というメッセージなのではないかということである。事あるごとに、韓国からは、「謝罪が足りない」と批判が来るが、韓国が希望する謝罪をいつまでも日本がする義理はなかろう。

日韓の過去の問題がすっきりと解決する方法は、2つしかない。
日本が韓国の意見を全面的に受け入れ、多額の金銭的譲渡をする。
若しくは、韓国側が、過去を水に流し、日本の謝罪を無条件で受け入れる。

日本は、所詮、韓国と同邦では有り得ず、そこまで韓国の意見を取り入れる筈がない。
そして、韓国が日本の謝罪を無条件に受け入れる筈もない。結局、何かが欲しい訳だ。多くは口に出しませんが。分かっていますよ、クックックッ。

このまま、別々の道を歩んだ方がお互いが幸せになれると思うのだが。

引用開始
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【コラム】なぜ米国は日本に過去を問わなかったのか
記事入力 : 2015/05/01 08:49
安倍首相が紹介した「和解の象徴」は戦争犯罪を否定する靖国参拝の極右派だった
彼に向けた米議会の拍手は過去にこだわる韓国に冷水を浴びせた

【コラム】なぜ米国は日本に過去を問わなかったのか
 安倍首相の行動は冒険のように見えた。先月29日の米上下両院合同会議演説中、傍聴席に座っていた日本の右派政治家・新藤義孝議員(前総務大臣、57)を米国の退役軍人と並ばせ、立ち上がらせたことだ。安倍首相は新藤氏を「日米和解の象徴」だと言った。新藤氏の祖父は第二次世界大戦時、この米国の退役軍人と同じ戦場で戦った為、2人の対面は奇跡だというのだ。新藤氏は2011年に「竹島(独島の日本側呼称)に行く」と言って金浦空港で足止めを食ったことで注目を浴びた人物だ。安倍首相の極右系腹心を代表する人物で、靖国神社参拝も欠かさない。靖国神社が日本の米国に対する戦争責任を正面から否定する施設だということは誰もが知っていることだ。
 安倍首相が立った演壇は74年前の米国大統領が日本に対し宣戦布告した所だった。この場所で安倍首相は大声で叫ぶように「歴史の奇跡」だとして極右議員を立ち上がらせた。この議員が元米兵と握手した時、米上下両院の議員達は一斉に総立ちとなり、拍手を送った。この時、誰かが新藤氏の前歴を取りざたして抗議したとしたら、安倍首相の訪米はその成果とは関係なく大恥をかいて終わったかもしれなかった。それでも安倍首相は思い切って新藤氏を立たせた。何故だろうか。それは自身に対する米政界の関心が「過去」にないことを見抜いていたからだ。
 韓国政府はどう思ったのだろうか。安倍首相の訪米直前、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が南米で「(過去や歴史認識問題に対する)誠意ある行動」を日本に要求した。米議会演説の前日には外交部(省に相当)の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官が「歴史認識問題と関連、世界の目が安倍首相に注がれている。安倍首相がドイツのように過去を綺麗に断ち切る『黄金の機会』を逃さないよう強く求める」と述べた。韓国の当局者が安倍首相の誠意を信じてこうした言葉を発したとは思わない。信じていたのはむしろ米国の誠意ではなかっただろうか。米政府と議会が誠意に基づき安倍首相に圧力を加えるというシナリオを思い描いていたのかもしれない。
 ところが、日米両国が発表した声明には、歴史認識問題に関する話が1行もなかった。首脳会談直後の記者会見も同様だった。オバマ大統領は一言も過去の問題を口にしなかった。米国人記者がぶつけた従軍慰安婦関連の質問に、安倍首相がオウムのように繰り返した答弁が歴史問題に関する全てだった。あの時の安倍首相のうんざりした顔を見れば、その胸に歴史問題がどのような形で存在しているのか大体分かる。しかも、答えが書いてあった紙はワシントンの強風に飛ばされ、爪の垢ほどの誠意すら決まり悪そうな笑いと共に消えてしまった。
 尹長官は、日本に過去の問題をすっきりと解決する「黄金の機会」を逃すなと警告した。しかし、日本は自国の軍事力を世界に拡大する「黄金の機会」を逃さなかった。米国も日本の軍事力を引き込んで中国の「海上の万里の長城」を牽制する「黄金の機会」を掴んだ。「過去の反省」要求が「不動の同盟国」という形になって戻ってきたのだ。その結果が日中の北東アジア軍備競争に繋がるかもしれないということぐらいは中学生でも分かる。それでも、韓国外交部が出したコメントは「誠意ある謝罪がなかったのは遺憾だ」と、歴史認識問題に関するものだけだ。未来を語る日米に向かって、韓国はしつこく過去を語ろうとしている。
 韓国政府は依然、米国をテコにすれば安倍首相の歴史観を変えられると期待しているようだ。「日本の首相が米国で韓国(慰安婦)に謝罪しなかった」と嘆く不自然な現実の根底には、そう信じる気持ちがある。もちろん、米国は今も世界の中心であり、強力なテコだ。米国を通じて日本を動かすこともできる。だが、それには米国に対する韓国の「品ぞろえ」が少なくとも日本並みでなければならない。日本は中国主導のアジア・インフラ投資銀行(AIIB)への参加を保留した。日本は米国の対中戦線に重要なパートナーとして加わった。韓国にこれが出来るだろうか。こうすることが韓国の国益になるだろうか。自分がどっちつかずなのに米国に日本への圧力を求めるのは、米兵に向かって「ギブ・ミー・チョコレート」と叫んだ半世紀前の子どもと変わらない。
 自分の利益と一致しなければ、200年前の歴史問題でも暴き出すのが米国だ。逆に、自分の利益と合えば靖国神社を参拝する極右に拍手喝采するのも米国だ。大統領が言う「誠意」がこのように冷たい世界でどれだけ理解されると思っているのか。元慰安婦の弱々しい声が日米同盟の隙間にどれだけ食い込めると思っているのか。韓国外交もそろそろ大人になってほしい。
国際部=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)部長
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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朝鮮日報の記事(3) [政治や歴史の話]

続き。
朝鮮日報の記事を引用しておこう。
これには、韓国人が日本人をどう思っているかが、文章の端々に出てくる。楽しんで頂きたい。

まず最初に、この「日本の国際政治学者」氏が誰か分からないが(=売国奴の和田春樹あたりか)、「日本の国際政治学者が語ったように、日本は昔から外交を苦手とする国だ。すぐに本心をさらけ出し、徒に周辺国の恨みを買う」と言うが、日本の外交は、中国・韓国・北朝鮮の「東亜三馬鹿トリオ」以外には、まあまあ上手く行っているというのが、日本の保守系メディアのほぼ一致した意見だと思われる。
日本の革新系メディア(=反日・売国メディア)は、敵愾心剥き出しのこの三馬鹿トリオとも、「仲良くせい」と諭してくれている訳だが(笑)。

次に、「英国と日本の動きは正に対照的だが、その一方でこれを見ると、100年たっても師匠は師匠、弟子は弟子の立場に留まっていることが分かる」と英国を持ち上げているが、英国もインドや南アフリカが、過度な謝罪要求や賠償要求に踏み切らないことを知っており、この二国もそういう行為をしない。
何でも、日本と韓国の関係と並列のように書くべきではない。

鼻輪を付けられた牛も、手綱を緩めれば勝手に動き回る。韓国外交が気を緩めた後の日本の姿がまさにそうだ」と言うことだ。
即ち、韓国がしっかりと手綱を締めていないから、牛のような××人(=自主規制)は、韓国人の言うことを聞かなくなったとさ。

人間であれ国家であれ、歪んだ部分や考え方が自然に元に戻ることなどあり得ない。その為、既に歪み切った日本にもう一度言うことを聞かせるには、緩めた手綱をもう一度締め直さなければならない」と歪みきった××人(=自主規制)に、今度、韓国人が、びしっと活を入れてくれるらしい。凄く楽しみだ。
こんな風に思われている韓国に、今でも200万人以上の日本人が、観光その他で行くらしい。
そんな日本人に幸あれ!

引用開始
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【コラム】日本の無責任、韓国の無能
記事入力 : 2015/04/29 06:53
日本の無責任と不義、韓国の読み違いと政策ミス
歪んだ日本を正すには、外面的な外交から積極外交への転換が必要
 4月末から5月にかけて数日間、韓国、中国、日本の国民15億人が米国ワシントンに注目する。30億個の目と耳が、これまで多くの注目を集めてきた安倍晋三首相による米国訪問で何が起こるのか、目を凝らして見詰めるることだろう。安倍首相の米国「公演」のクライマックスは、29日に予定されている米国上下院合同会議での演説だ。日本の首相が上下院合同会議で演説するのは安倍首相が初めてだ。
 韓国は李承晩(イ・スンマン)大統領が1954年7月28日に演説を行って以来、複数の大統領がすでにその場に立っている。日本の経済力と米日同盟の歴史から考えれば、安倍首相が今回の演説を行う初めての首相というのはかなり意外な感じもする。日本は1941年12月7日、宣戦布告のないままハワイの真珠湾を攻撃した。その翌日にルーズベルト大統領が「12月7日は『恥辱の日』として覚えられるだろう」と述べ、日本に宣戦布告を宣言する演説を行ったその会場も、今回と同じ上下院合同会議でのことだった。これら一連の歴史的経緯を考えれば、これまで日本の首相がこの場に立てなかったことも少しは理解出来るかもしれない。
 それだけに、日本は今回の安倍首相訪米に向け、事前の準備に相当な力を入れてきた。まず、長い間両国の懸案だった沖縄の在日米軍基地問題をめぐり解決の障害を取り除いた。更に米日防衛協力の指針、いわゆる「ガイドライン」についても米国の意向に沿った形で改定を行った。中国と領有権を争う尖閣諸島については、米国から具体的かつ確実な言及を引き出したが、これも今回の事前準備の過程で得られた成果だ。オバマ大統領が力を入れている環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の締結に向けた交渉にも前向きに取り組み、完全妥結に向けて大きく前進している。数十年にわたり米国の各界で育ててきた知日派、親日派の人脈は、今回の安倍首相訪米を前に様々な形で雰囲気作りをサポートしている。先日米国で行われた世論調査では「日本を信頼する」という回答が68%に達し、「韓国を信頼する」の48%を上回った。この数字も、これまでの日本の努力が確実に結実していることの証だ。
 一方の米国も中国を牽制する為、日本を自分達の側に引き入れようとしているのは事実だ。但し米国は、内心では日本が米国を信じて中国と衝突することを警戒してきた。安倍首相は先日インドネシアで行われたアジア・アフリカ会議(バンドン会議)での演説で、過去の戦争に対する反省に言及することで中国に配慮し、アジアインフラ投資銀行(AIIB)への出資も匂わせることによって習近平国家主席との会談を実現させた。その結果、安倍首相は米国の不安を和らげることにも成功した訳だ。
 韓国外交部(省に相当)の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官は先日、米中両国の板挟みとなっている韓国のジレンマについて「両国からラブコールを受けている状況は、厄介なことではなく、祝福と受け止めるべきだ」と語ったが、これはどう考えても事実に反する。但し、韓国を飛び越えて米国と中国に配慮する日本の前で冷静さを失う必要もない。日本の国際政治学者が語ったように、日本は昔から外交を苦手とする国だ。すぐに本心をさらけ出し、徒に周辺国の恨みを買う日本はどう考えても外交下手であり、実際にその政策はまさに後進的だ。
 日本は過去100年にわたり英国の外交政策を手本としてきたという。因みに英国の議会広場には今年3月、自国による植民統治に反対したガンジーの銅像が建立され、2007年8月には同じ場所に、英国による植民地支配の名残であるアパルトヘイト(人種差別政策)と戦った南アフリカのネルソン・マンデラ大統領の銅像も建立されている。これに対して日本は植民地支配への反省を表明した村山談話や、従軍慰安婦動員の強制性を認めた河野談話の見直しに向けて動き出している。英国と日本の動きは正に対照的だが、その一方でこれを見ると、100年たっても師匠は師匠、弟子は弟子の立場に留まっていることが分かる。
 米国のキッシンジャー元国務長官は「二つの国が同じ単語を違う意味で使ったときに外交は行き詰る」とした上で、その次の段階として「外交という建前でオウムのように同じ言葉を繰り返し、相手の悪意を暴こうとするようになる」と語った。今の韓国と日本が正にそうだ。
 ただし、今のこの状況で日本の無責任や不義ばかりを責めたとしても、韓国の外交政策における読み違いと失敗の責任が軽くなる訳ではない。米国務省のシャーマン次官が、「北東アジアで政治指導者が過去の敵を非難し、安っぽい拍手を受けるのは難しいことではない」と発言した時、その言葉をどのように解釈し、対応したのかについても振り返らなければならない。又、中国と日本が水面下で首脳会談の実現に向けて動いていた時、韓国がその気配を察知することさえ出来なかったとすれば、その鈍感さのレベルも尋常ではない。「戦闘に敗れた指揮官を許すことは出来ても、警戒を怠った指揮官は許すことが出来ない」という言葉は、軍隊だけで適用されるものではない。
 対日外交を進めるに当たり、歴史問題・領土問題と安全保障・経済を分けて対応し、日本との接触を拒絶してはならないという忠告、あるいは助言が最近になって多くなった。米国で共和党・民主党の両政権で国防相を務めたロバート・ゲーツ氏は「ソ連を悪の帝国と呼んだレーガン政権も、ソ連との対話を完全に閉ざすことはしなかった。これはソ連が米国の思い通りに動いたからではなく、彼らの真の意図を探る為だった」と振り返っている。
 鼻輪を付けられた牛も、手綱を緩めれば勝手に動き回る。韓国外交が気を緩めた後の日本の姿がまさにそうだ。日本国民に対するアンケート調査で、日本の歴史問題に対する反省や謝罪について、10年前には「不十分」とする回答が51%、「十分」は36%だったが、それが今は「不十分」24%、「十分」57%と大きく逆転した。安倍政権の動きばかりに注目し、その背後にいる日本国民の考えの変化にまで配慮が及んでいなかったという訳だ。
 人間であれ国家であれ、歪んだ部分や考え方が自然に元に戻ることなどあり得ない。その為、既に歪み切った日本にもう一度言うことを聞かせるには、緩めた手綱をもう一度締め直さなければならない。今こそ日本との外交政策をしっかりと見直すべきだ。
姜天錫(カン・チョンソク)論説顧問
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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中央日報の記事 [政治や歴史の話]

続けて、中央日報の記事を引用しておこう。
翻訳の為、一部、日本語表記が微妙な点は、引用者が直してある。

韓日関係は過去の解決策が通用しない新しい段階に入った」という部分は非常に示唆的である。
即ち、「韓国が怒れば、日本が萎縮して折れる」という今までの手法は、通用しなくなってきた。
勿論、小生は、そういう手法には、「ノー」という立場の人間ですが、何か(爆笑)。

引用開始
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謝罪しない安倍首相…試される韓国外交
2015年05月01日13時28分
[韓国経済新聞/中央日報日本語版]
安倍晋三首相の米議会演説をきっかけに、韓国の対日外交戦略に批判が出ている。日本は過去の問題を巧妙に避けながら米国と急速に親密になったが、韓国はこれに対応できていないという指摘だ。
 海外メディアは30日、安倍首相が米議会演説で直接的な謝罪をしなかったとして批判した。フィナンシャルタイムズは、「日本の行動を謝罪する意向がないという一貫した立場を見せた」とし「8月の安倍談話でも植民地支配と侵略に対する歴代内閣の謝罪を薄める恐れがある」と評価した。しかし、韓国政府は直接的な批判を自制しながら「遺憾」という立場を明らかにした。魯光鎰(ノ・グァンイル)外交部報道官は30日に発表した声明で、「日本は、植民地支配および侵略の歴史、日本軍慰安婦被害者に対する残酷な人権蹂躙した事実を直視し、正しい歴史認識を持ち、周辺国との和解と協力の道に進むべきだ」と述べた。
 一部の人々は、米国に頼る韓国の消極的、受動的な外交戦略に問題を提起している。米国と日本、中国は国益により敏捷に離合集散するが、韓国は消極的な態度で一貫しているということだ。ワシントン内の韓国外交官は、ホワイトハウスと米議会を相手に安倍首相が直接謝罪を表明するようロビー活動をしたことが分かった。しかし、この戦略が失敗し、結果的に日本を変えられなかったという指摘が出ている。外交専門家は日米新同盟時代を迎えて韓米日関係を再設定し、対日、対米戦略を新たに組む必要があるという意見を出している。
 朴喆熙(パク・チョルヒ)ソウル大教授は「韓日関係は過去の解決策が通用しない新しい段階に入った」とし「日本は以前とは違う。我々が期待できることが変わったという点を認識し、お互いテストする段階を経て、新しい均衡点を見いださなければいけない」と述べた。
 政府・与党は1日、外交安保対策会議を開き、対策を調整する予定だ。朱鉄基(チュ・チョルギ)青瓦台(チョンワデ、大統領府)外交安保首席秘書官は「(日本と)今年中に過去の問題を解決しようと努力中で、過去の歴史と安保問題を区別して扱いながら韓日関係を必ず解決する」と述べた。

※本記事の原文著作権は「韓国経済新聞社」にあり、中央日報日本語版で翻訳しサービスします。
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朝鮮日報の記事(2) [政治や歴史の話]

先程の記事の続き。
下線部のあたりが特に印象に残った。

政治指導者らが過去の敵を非難して安っぽい拍手を得ることは難しくないが、こうした挑発は、発展ではなく麻痺を招く」という言葉は、我々もよく覚えておく必要がある。
例えば、過去に日本も戦禍を蒙ったことがある。これは事実ではあるが、殊更に、そのことを言挙げする人がいないのは、「ノーと言えない日本人」という性質もあるだろうが(笑)、「国と国との関係は、あまり相手の悪事を蒸し返さない方が懸命である」という考えが根底にあるからだと思う。

自国の政治家が、殊更に、「政治指導者らが過去の敵を非難して安っぽい拍手を得る」行為は、窘めなくてはならない。これでは、日本を殊更に批判する某国(=亡国)の指導者と同種となろう。

スタインバーグ氏が、「米国が過去史問題で日本に十分な圧力を加えていない」という指摘に対しても「圧力は敵に対して加えるものであって、同盟国に対しては加えられない。仮に圧力を加えるとしても、それが生産的・効果的だとは思わない」と答えている。
これは、特にスタインバーグ氏が親日的という訳ではなく、「歴史を政治利用した時には、時には、ブーメランのように、別の歴史カードで、自らが攻撃される可能性がある」ことを悟っているからであろう。

引用開始
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米国の北東アジア専門家3人が見た日米同盟と韓日関係
記事入力 : 2015/04/30 04:59

【インタビュー】ブルース・ベネット氏=ランド研究所シニア防衛アナリスト
「陸自の規模は15万人、韓国の3分の1」/それでも生ずる周辺国の懸念は、信頼不足の傍証
日米新ガイドラインで北朝鮮の核の脅威を減らすことも可能

米識者「陸自の人数が韓国の3分の1でも心配というのは」
 「東アジアでは、日米軍事同盟の強化に対する懸念が高まっている。日本が第2次世界大戦当時のように、軍国主義の道を歩むと心配しているのだ。そういう人々に、こんな質問をしたい。日本の陸上自衛隊の人数は何万人か。15万人だ。韓国の3分の1にしかならない」。
 米国防総省の傘下にある安全保障シンクタンク「ランド研究所」の軍事専門家、ブルース・ベネット・シニア防衛アナリスト(写真)は、27日に締結された日米新ガイドライン(日米防衛協力の指針)が東アジア地域に及ぼす影響について、このように語り始めた。
 ベネット博士によると、ガイドライン改正で日本が手にする集団的自衛権は「防衛」だけが目的であって、侵略の為のものではない。また、日本の軍事力が、かつてのように無分別に成長するとも想像し難い。日本経済が今後も停滞から脱出できない場合、軍事に巨額の予算を投じることはできない。一方、経済がよみがえっても、第2次世界大戦当時のように若者を大勢徴集するのは難しい。経済活性化のため、若い人材を産業部門に配置しなければならないからだ。
 「それでも日本の行方を心配する人が多いということは、日本が周辺国との『信頼形成』を急がねばならないことを示している」。
 ベネット博士は、米日がガイドラインを改正した理由の一つとして、まだ解決できていない北朝鮮の核問題を挙げた。最近中国は、北朝鮮が推定20発の核弾頭を保有している、と発表した。米国政府がかつて発表した推定値(10発前後)をはるかに上回る数値だ。ベネット博士は「核弾頭の数もそうだが、北朝鮮が核を使用するかどうか、誰も確信を持って答えることはできない。しかし北朝鮮の核の脅威が現実化した場合、被害は想像を越えるものになるだろう」と語った。
 そういう意味から、ガイドライン改正は、増大する北朝鮮の軍事的脅威を多少なりとも減らすことができる、というのがベネット博士の説明だ。北朝鮮が米国に向けて弾道ミサイルを発射した場合、日本は常時モニタリングシステムでミサイル発射を感知した後、海上自衛隊のイージス艦が搭載しているSM3ミサイルで迎撃できるようになった。北朝鮮が暴走する余地が少なくなる、という解釈が可能だ。ならば韓国政府は、どのように備えるべきなのか。
 「韓国には米軍2万8000人が駐屯しており、有事の際にはその数倍にもなる兵力・装備が、日本を経由して韓半島(朝鮮半島)に投入される。かつて日本は北朝鮮のミサイルを意識して、そうした危険負担をしようとしなかったが、今ではそれを甘受するようになった。一方韓国では、米軍の支援兵力が使用する飛行場や港湾が不足している。日米ガイドラインの発効を控え、韓国政府は、今後十分な兵力受け入れ空間の確保に努めるべきだと考えている」。

米国の北東アジア専門家3人が見た日米同盟と韓日関係
【インタビュー】ジェームズ・スタインバーグ氏=元国務副長官
「韓日間の歴史関係は重要だが、だからといって過去史を誤用してはならない」
日本は米国の敵ではなく、同盟国/過去史問題で圧迫はせず

米識者「歴史は重要だが圧力は敵に加えるものでは?」
 オバマ政権のアジア政策を立案したジェームズ・スタインバーグ元国務副長官(写真)は28日、韓日関係について、「歴史問題は重要で、米国もこれを重視しているが、同時に歴史の誤用に対する他の国々の懸念も理解すべき」と語った。スタインバーグ元国務副長官は、28日の記者会見で「(韓日関係において)重要なのは、両国が相手の直面している問題を理解してやること」という趣旨の発言を行った。
 この発言をめぐり、外交関係者の間からは「今年2月のウェンディ・シャーマン国務次官の発言を思い起こさせる」という指摘が出た。シャーマン国務次官(政務担当)は今年2月27日、あるセミナーの基調講演で「政治指導者らが過去の敵を非難して安っぽい拍手を得ることは難しくないが、こうした挑発は、発展ではなく麻痺を招く」と発言した。名指しはしていないが、韓国または中国を念頭に置いた発言と解釈された。
 シラキュース大学マックスウェル・スクールの学長を務めているスタインバーグ元国務副長官は、「米国が過去史問題で日本に十分な圧力を加えていない」という指摘に対しても「圧力は敵に対して加えるものであって、同盟国に対しては加えられない。仮に圧力を加えるとしても、それが生産的・効果的だとは思わない」、「米国の役割は、韓日間の意見の違いを解決することではなく、さらなるコミュニケーションにより、お互いが両国の懸念を理解できるよう奨励すること」と語った。
 またスタイバーグ元国務副長官は、安倍首相が今年8月に発表するとみられる「安倍談話」に「侵略」や「謝罪」という文言を含めるべき、という指摘について「他の国々の懸念を理解している、と示すやり方を模索するのが肝心で、それを表現する方法は、異なることがあり得る。『具体的な用語として何を使うべきか』は、別に重要ではない」と語った。
 さらにスタインバーグ元国務副長官は、安倍首相が従軍慰安婦問題と関連して使用している「人身売買(human trafficking)」という表現についても「『trafficking』と英訳されている日本語のニュアンスが何なのか理解することに時間をかけ過ぎるのは問題。ニュアンスの把握に集中しすぎず、未来に向かって進展し得る和解の余地があるかどうかの方を考慮すべき」と指摘した。安倍首相は、人身売買の主語を意図的に省略し、慰安婦を強制動員した旧日本軍の責任を否定しようというねらいを露わにしている、という指摘を受けてきた。
 このほか、スタインバーグ元国務副長官は「過去70年間、第2次世界大戦が終わってから、日本はアジア・太平洋地域などで建設的な役割を果たしてきたと考えている。自負に値するもの」とも語った。
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朝鮮日報の記事(1) [政治や歴史の話]

最近、忙しくて、政治関係の本が読めていない。
又、少しずつ読んでいこうと思う。

安倍首相の訪米前の韓国メディアは、いつにも増して日本の記事が増えていた。
日本批判の記事が目立ち、流石にうんざりするが、たまにシャープな記事もあるので紹介したい。
韓国紙の批判ばかりするのは、武士道に反するからね。

興味があったのは、以下の文。
韓日(関係)は良くて40点」だが、今の日韓関係、最高に良いよ(笑)。日本人が韓国人の本性に気付き始めた、非常に良い関係。もうじき関係そのものがなくなるかも(笑)。
だが、両国には共通の価値観や長年の交流の歴史など『生まれながらにしての同伴者(natural partner)』と言える楽観的な要素がある。両国関係は破綻には向かわないだろう」の部分だが、もうそういう心理的につながりが見いだせた世代はいなくなりつつある。
つまり、日本人が、「日本も悪いことをしてね」と握手を求めれば、「いや、今後は共に発展していきましょう」と過去を水に流せた器量の大きな韓国人は確かに存在した。
しかしながら、先日のサガン鳥栖と鹿島アントラーズの試合で、日本人選手の顔を足で踏んづけた韓国人選手の映像を見ると、「やっぱり韓国人とは距離を置く方が懸命だな」と小生は思っていしまう。

引用開始
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米識者「韓国人の対日観、自信を持って自ら歴史脱却を」
記事入力 : 2015/04/30 04:59
米国の北東アジア専門家3人が見た日米同盟と韓日関係
【インタビュー】スコット・スナイダー氏=米外交問題評議会シニア・フェロー
「韓米75点、日米80点、韓日は良くて40点」
 日米が「新蜜月時代」を迎えている。安倍首相の訪米を契機に、日米関係は今までとは次元の異なる段階に進むものと見られている。一方、韓日関係は両国間の歴史認識問題などに阻まれ、突破口を見いだせずにいる。北朝鮮の核問題、日中和解ムードなど急変する情勢の中で、韓日関係も見直しと新たな対策が必要だという声が高まっている。日米の新蜜月関係をどのように見るべきか。また、今の韓日関係はどのように見て、解いていけば良いのか。民間シンクタンク「峨山政策研究院」主催の「峨山プレナム2015」に出席する為訪韓した韓半島(朝鮮半島)専門家スコット・スナイダー米外交問題評議会(CRF)シニア・フェロー、北朝鮮核関連軍事専門家のブルース・ベネット米国ランド研究所上級防衛アナリスト、オバマ政権でアジア政策を立案していたジェームズ・スタインバーグ元米国務副長官の3人にインタビューし、解決策を模索してみた。

【インタビュー】スコット・スナイダー氏=米外交問題評議会シニア・フェロー
「韓日は経済・安保協力に対する期待低下、韓米日は頭打ち」
安倍首相に対する期待高まるほど影響力も大きくなる

 知韓派の代表と言われる韓半島専門家のスコット・スナイダー米外交問題評議会(CRF)シニア・フェロー=写真=は28日の本紙インタビューで、最近の韓国と日本について「韓日関係が悪化、両国の経済・安全保障協力に対する期待値が低くなり、その低くなった天井で韓米日の3国が頭打ちになっている」と言った。
 スナイダー氏は「現在の韓日関係は1998年の金大中(キム・デジュン)・小渕共同宣言以降最悪だ。各国の世論調査に基づき、現在の二国間関係に100点満点で点数を付けるなら、韓米が60-75点、日米が70-80点、韓日は良くて30-40点」と評した。
 また、同氏は「日米新蜜月時代は必然だ」とも言った。米国が安保を地域単位で考え、同盟国の役割を強調するリバランス政策を行っていることの自然な帰結だというのだ。「バラク・オバマ米大統領は韓米同盟を『リンチピン(linchpin=車の輪止め)』、日米同盟を『コーナーストーン(cornerstone=礎石)』に例えた。良い外交官はどちらの方が優先かは言わないが、安保を地域単位で考え始めた米国にとって、アジア・太平洋地域の同盟国中、最大の資産は日本だ。韓日の不協和音によりアジア・太平洋地域で米国の利益が制約されているというのが(米国の)見解だ。米国は韓米日同盟だけでなく、日本・オーストラリアとも『三角協力』を強化している」と言った。但し、「米国は、域内で担ってきた軍事の中核的役割までは日本などの同盟国に渡さないだろう」と一線を画した。
 更に、同氏は「韓日関係の強化こそ韓米日の全てに利益をもたらす」とも言った。それは、分かっていながらも達成困難な歴史認識問題が、損得とは関係なくアイデンティティー問題に発展してしまったからだという。「韓日関係は接点を見いだすのが難しいだけに、(解決ではなく)『管理』するのが最善だという人もいる。だが、両国には共通の価値観や長年の交流の歴史など『生まれながらにしての同伴者(natural partner)』と言える楽観的な要素がある。両国関係は破綻には向かわないだろう」とも言った。
 そして、「韓国は独裁などかつての過ちを正し、民主化を成し遂げた。同様の論理で50年前に韓国が弱小国だった頃に締結した韓日協定も見直して欲しい。韓国人が日本に心からの謝罪を要求するのは十分理解できるが、安倍首相に対する期待値が高くなればなるほど、彼の影響力が大きくなるばかりだ。むしろ、韓国人は自信を持って歴史問題から自ら脱することが可能だと判断すべきだ」と述べた。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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